2012 (映画)

映画『2012』の概要

『2012』は、2009年に公開されたアメリカのSFパニック映画で、監督はローランド・エメリッヒが担当しました。この映画は人類の滅亡に関する古代マヤの予言に基づいたものであり、特に2012年の冬至に注目が集まった時期を題材にしています。映画は、数人のキャラクターたちが大災害に直面し、生き残るために奮闘する様子を描いています。

ストーリーのあらすじ

物語は2009年、インドの科学者サトナムが地球内部の温度上昇とそれによる地殻変動の兆候に気づくところから始まります。この事実を受けて、アメリカ大統領ウィルソンは世界の首脳たちにその危険性を伝え、政府は「チョーミン計画」と呼ばれるプロジェクトを非公開で進めることになります。この計画は、人類の歴史的な美術品を密かに偽物にすり替え、未来に残すためのものでした。

2012年に至り、売れない作家ジャクソンは、変わり者のラジオパーソナリティ・チャーリーから終末の予言を知ります。彼は元妻のケイトと子供たち、ケイトの新しい恋人ゴードンとともに、避難場所への脱出を試みます。しかし、地球規模の巨大地震や火山の噴火、津波といった未曾有の災害が発生し、彼らは生き残りをかけて必死に逃げ惑います。

彼らは「ノアの箱舟」計画の存在を知り、中国の建造地に向かうために飛行機を調達します。しかし、予定地のハワイは既に壊滅的な状況になっており、彼らは不時着を余儀なくされます。最終的に、ジャクソンたちは生存のために箱舟を目指すのですが、様々な困難に直面します。

登場人物の掘り下げ

主な登場人物には、売れないSF作家ジャクソン・カーティス（ジョン・キューザック）がいます。彼は今回の危機を通じて家族との団結を取り戻そうと奮闘し、元妻のケイト（アマンダ・ピート）との関係も深まっていきます。また、彼らの子供、反抗期の息子ノアや不安定な娘リリーの描写も物語に厚みを加えています。

また、政府関係者として大統領ウィルソン（ダニー・グローヴァー）や科学顧問エイドリアン（キウェテル・イジョフォー）が登場し、彼らもまた人類存続のための決断を迫られます。

製作背景とマーケティング

この映画は、ローランド・エメリッヒが自身の古くからの夢だった聖書の大洪水を映画化するため、作品を企画しました。多くの特撮制作会社が参加し、壮大なスケールで表現されています。2020年には、パンデミックの影響で再注目を浴び、Netflixでの視聴ランキングに登場しました。

マーケティングとしては、公式サイトでジャクソンの著作『さらばアトランティス』の発表や、プロモーションの一環としての映像配信が行われましたが、一部批判も受けました。

評価と興行収入

興行的には大成功を収め、北米では1億6610万ドル、海外では6億350万ドルの収益を上げ、日本でも累計38億円を記録しています。批評家の評価は分かれていますが、アクションや特殊効果に関しては高く評価されています。エメリッヒ監督の作品として、数々のディザスター映画の中でも印象的な位置を占める作品となりました。

この作品は、自然災害と人間ドラマが融合したストーリーを通じて、観客に生きる力や家族の絆について考えさせる要素が詰め込まれており、エンターテインメント作品としての魅力を持っています。

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