2012年の埼玉西武ライオンズ

2012年埼玉西武ライオンズシーズンの総括

2012年における埼玉西武ライオンズは、監督の渡辺久信にとって5年目のシーズンにあたります。チームのスローガンは「出し切れ！ライオンズ」と定められ、優勝を目指す意気込みが感じられました。

開幕前の動向

シーズン開始にあたり、埼玉西武ライオンズは新たな駒となる外国人選手を次々に獲得しました。ランディ・ウィリアムス、エンリケ・ゴンザレス、クリス・カーター、エステバン・ヘルマンが加入し、その戦力に期待が寄せられました。また、広島から江草仁貴とのトレードで嶋重宣を迎え入れ、さらなる戦力強化を図りました。これにより、ライオンズは優勝候補の一角に挙げられていました。

シーズン序盤

しかし、開幕戦となった4月4日のロッテ戦で敗北し、その後も本拠地での試合に苦しみ、ホームでの連敗を重ねました。4月の終わりには4連勝を記録したものの、結局は8勝13敗で月を終え、スタートダッシュには失敗しました。特に、エースである涌井秀章の不調が深刻で、開幕投手を務めた日本ハム戦からは3連敗を喫しました。

中盤の苦悩

6月に入ると、先発陣がようやく安定し始め、岸孝之、牧田和久、石井一久、西口文也の4投手が11勝を挙げる好調ぶりを見せました。しかしチームの主力となる選手たちが怪我で次々に離脱し、7月末にはBクラスの位置から抜け出すことができませんでした。

後半戦の盛り返し

後半戦に入ると一気に調子を回復し、8月には6連勝を達成します。8月19日にはついに首位に立ったものの、その後に涌井がリリーフに転向し2度の救援失敗を記録するなど、9月7日から連敗を続け首位から転落しました。日本ハムと激しい優勝争いを繰り広げましたが、最終的には4年ぶりのリーグ制覇には至りませんでした。クライマックスシリーズでは3位のソフトバンクに敗れ、ファーストステージで姿を消しました。

投手陣と打撃陣の特徴

投手陣では、牧田が先発ローテーションの柱となり、涌井はリリーフに転向して30セーブを挙げるなど安定した成績を残しました。打撃に関しても、序盤の不振を乗り越えて中村剛也が27本塁打を挙げ、2年連続で本塁打王に輝きました。新外国人のヘルマンも全試合に出場し、リーグ2位の41盗塁を記録するなど、攻撃の中心選手として活躍しました。

成績と評価

チーム全体の成績は波がありましたが、個々の選手は着実に成績を残し、評価されました。中島裕之はゴールデングラブ賞とベストナインを獲得し、中村剛也は本塁打王のタイトルを手にしました。投手陣も西口文也が通算2500投球回を達成するなど、記録を樹立する選手が続出しました。

シーズンを通じての戦いは厳しいものでしたが、選手たちは力を合わせて最善を尽くしました。これからのシーズンに向けて、さらなる成長と飛躍が期待されます。

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