2012年アメリカグランプリ

2012年アメリカグランプリの詳細

概要

2012年11月18日、アメリカ・オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催された2012年F1世界選手権第19戦、正式名称は「2012 FORMULA 1 UNITED STATES GRAND PRIX」。
このレースは、2007年以来5年ぶりに復活したアメリカグランプリで、開催場所がインディアナポリスのオーバルトラックからオースティンに新設されたロードコースへと移ったことが特筆されます。サーキットの建設中には一時工事が中断するなどの困難がありましたが、25万人以上の観客を集めて無事オープニングイベントを迎えました。
F1関係者たちからはコースの設計や会場の雰囲気が高く評価され、成功裏に幕を開けたことが印象的でした。

予選

サーキット内のアスファルトは新しく、油が浮いていたため非常に滑りやすい状態でした。また、気温が予想より低くなり、ピレリタイヤも硬めが使われたため、金曜日のフリー走行では多くのマシンがスピンやコースアウトを経験しました。
セバスチャン・ベッテルはフリー走行1回目でルイス・ハミルトンに対して約1.5秒もの差をつけるトップタイムを記録。続くセッションでも優れたパフォーマンスを見せ、最終的には36回目のポールポジションを獲得しました。
一方、フェルナンド・アロンソはチームメイトのフェリペ・マッサよりも下の9位で予選を終えましたが、アロンソはベッテルに10ポイント差で追いすがっていました。予選後、グロージャンがギアボックス交換により5グリッド降格のペナルティを受け、アロンソは8番グリッドに繰り上がる結果となりました。
フェラーリチームは、マッサ車のギアボックスの封印を破ってまでアロンソを有利なグリッドに搬上させる戦略を練り、物議を醸しました。

決勝

レース当日のスタート時、天候は晴れで気温は24度、路面温度は32度。他のドライバーはミディアムタイヤを履く中、バトンとロズベルグが除外されました。スタートから予想通り、偶数列のハミルトンやライコネンは出遅れ、一方でアロンソは1コーナーをアウト側から抜け、4番手に浮上しました。
17周目にはウェバーが故障でストップし、アロンソが3位に上げることに成功します。その後もレースは進行し、ベッテルとハミルトンの激しい争いが続きました。42周目にはハミルトンがベッテルを抜き去りトップに立ちますが、ベッテルも反撃し、最後まで緊迫したバトルが続きました。
最終的にハミルトンが0.6秒差で逃げ切り、勝利を収めることとなりました。アロンソは40秒遅れで3位にフィニッシュし、ポイント差を3点に縮めました。
これにより、ドライバーズタイトル争いは次戦のブラジルGPに持ち越され、コンストラクターズタイトルはレッドブルの3連覇が決定しました。
レース後の表彰式では、ハミルトン、ベッテル、アロンソの3人にピレリが準備した特製のテンガロンハットが贈られ、新生アメリカGPは華やかに締めくくられました。

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