2012年ロンドンオリンピックのスペイン選手団

2012年ロンドンオリンピック スペイン選手団の記録

2012年7月27日から8月12日にかけて開催されたロンドンオリンピックにおけるスペイン選手団の活躍を振り返ります。今大会では、金メダル4個、銀メダル10個、銅メダル6個、合計20個のメダルを獲得しました。

大会概要

スペインオリンピック委員会(COE)によって結成された選手団は、23競技に及ぶ多岐にわたり、男子166人、女子112人の計278人が参加しました。これは、1988年ソウルオリンピック以降で最も少ない選手数となりましたが、総メダル数では前回の北京オリンピックを1個上回る結果となりました。カヌー競技が4個、テコンドー競技が3個と、それぞれの競技で最多のメダルを獲得し、セーリング、競泳、シンクロナイズドスイミングがそれぞれ2個のメダルを獲得しました。複数のメダルを獲得した選手も3人現れ、シンクロナイズドスイミングとテコンドーにおいては、出場した全ての選手がメダルを手にするという快挙を達成しました。

団体球技においてもスペイン選手団は目覚ましい成果を上げました。女子ハンドボールが銀メダルを獲得し、男子水球が銅メダルを獲得。男子バスケットボールは北京オリンピックに続き、銀メダルを獲得しました。一方で、テニス競技では1988年のソウルオリンピックでの再導入以来、初めてメダルを獲得することができませんでした。また、自転車競技も6大会ぶりにメダルゼロに終わりました。

注目のメダリストたち

セーリングのマリーナ・アラバウとカヌーのサウル・クラビオットは、北京オリンピックに続いてメダルを獲得しました。トライアスロンのハビエル・ゴメス、カヌー・スラロームのマイアレン・コラント、レスリング・フリースタイルのマイデル・ウンダは、それぞれの種目でスペイン初のメダルを獲得しました。特にダビド・カルは、アテネ、北京、そして今大会と合わせてオリンピックで5個のメダルを獲得したスペイン初の選手となりました。ミレイア・ベルモンテは、スペイン初の競泳で2個のメダルを獲得した選手として名を刻みました。

繰り上げメダルとドーピング問題

2019年、陸上女子走高跳とカヌー男子スプリントC-1 200mにおいて、それぞれ2位だったロシアとリトアニアの選手にドーピング違反が発覚。これにより、2021年にルート・ベイティアとアルフォンソ・ベナビデスが繰り上げで銅メダルを獲得しました。

競技別出場選手数

スペインオリンピック委員会は、23競技に男子166人、女子112人の計278人を選出しました。これは過去のスペイン選手団の中では6番目の規模ですが、1988年ソウルオリンピック以降では最小となりました。フェンシング、近代五種競技、ボートには選手が選出されず、レスリングも女子フリースタイルに1選手が選出されたのみでした。最大規模となったのは陸上競技で、46選手が選出されました。

ベテランと新星

2008年北京オリンピックのメダリストであるセーリングのイケル・マルティネスとシャビエル・フェルナンデス、カヌーのダビド・カルなどが今大会にも参加しました。競歩のヘスス・アンヘル・ガルシアは、1992年バルセロナオリンピックから6大会連続で出場し、水球のマヌエル・エスティアルテと並び、6大会出場を果たしたスペイン2人目の選手となりました。同じく競歩のマリア・バスコとホッケーのポル・アマトは5回目のオリンピック出場となりました。卓球の何志文（フアニート）は50歳、新体操のルルデス・モエダーノは17歳で、それぞれ今大会のスペイン選手団の最年長、最年少選手となりました。

カヌーで2度世界王者となったサウル・クラビオット、競泳のミレイア・ベルモンテ、テニスのアナベル・メディナ・ガリゲス、バスケットボールのビクトル・クラベールやサージ・イバーカなどが注目選手として挙げられました。当初はテニスのラファエル・ナダルが開会式の旗手を務める予定でしたが、負傷の影響で欠場となり、バスケットボールのパウ・ガソルが開会式で旗手を務めました。

ユニフォームを巡る騒動

経済危機に苦しむスペインは、ロシアのスポーツウェア企業Boscoから提供されたユニフォームを開会式で着用することで、ユニフォームにかかる費用150万ユーロを削減しました。しかし、このユニフォームのデザインに対し、選手たちからは「派手でケバい」といった批判が相次ぎました。海外メディアからも、その奇抜な色彩の組み合わせを揶揄する声が上がりました。

2012年ロンドンオリンピックにおけるスペイン選手団は、経済的な困難を抱えながらも、各競技で素晴らしい成果を上げました。メダリストたちの活躍はもちろんのこと、ユニフォームを巡る騒動も含めて、記憶に残る大会となりました。

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