2012年自由民主党総裁選挙

2012年自由民主党総裁選挙

2012年9月26日に実施された自由民主党の総裁選は、党内で次期首相候補を選出する重要な選挙でした。これは2009年に総裁に就任した谷垣禎一の任期満了に伴うもので、前回の総選挙から3年が経過し、民主党に対する支持が低迷する中での開催でした。この状況を背景に、政権奪還を目指す自民党の動きが注目されていました。

総裁選の準備段階では、選挙日程の調整が難航しました。特に、谷垣氏と民主党の野田首相との3党党首会談において、関連法案が成立後に衆議院を解散するという合意が形成されたため、総裁選の日程を巡る調整が慎重に行われました。最終的に、選挙の告示日は9月14日、投開票日は9月26日と決定されました。

立候補者と選挙戦の展開

これに先立ち、立候補者たちの動きが始まります。最初に名乗りを上げたのは町村信孝で、彼は出馬の意向を周囲に示しました。また、安倍晋三も次第に出馬への意欲を露わにし、党内の保守派から支持が高まっていました。さらに、石破茂や石原伸晃らも出馬の意向を固めていきます。

選挙戦が進むにつれて、候補者間での攻防が激化しました。特に安倍と石破の支持をめぐる争いは熾烈であり、両者はそれぞれ独自の支持基盤を持ち、議員票と地方票を意識した選挙戦術を展開しました。特に、安倍は「保守勢力の結集」を強調し、派閥間の支持を集める努力をしました。

投票結果と決選投票

9月26日、総裁選の投票が行われました。地方票では石破が若干のリードを見せ、一方で議員票では石原が多くの支持を集める結果となりました。この結果、石破が一位となり、安倍が二位の位置に付け、決選投票に進むことになりました。決選投票では議員票のみが考慮され、安倍は見事な逆転劇を演じ、再び党総裁に選出されました。

新総裁としての決意

安倍が新総裁として選出された後、彼は「日本を取り戻す」というスローガンを掲げ、国民に向けて国政への意欲を示しました。このスローガンは、当時の政治的な状況を映し出すものとなり、自民党が再び政権を握るための大きな契機となりました。

選挙の波紋

選挙後、安倍の当選を受け、自民党内での動きは活発化しました。また、町村の健康問題や、議員同士の派閥間の力関係など、背景には多くのドラマが横たわっていました。町村は選挙期間中に体調を崩し、最終的には政治活動を断念しました。彼の健康問題は、選挙戦にも影を落とし、町村派から安倍への支持が流れる一因となりました。

このようにして、2012年の自由民主党総裁選は、安倍晋三が再びその座に戻るきっかけとなり、翌年の政権復帰の礎を築くこととなったのです。選挙を通じての様々な動きは、以後の政治情勢に多大な影響を与えることとなりました。

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