2013年イタリア総選挙

2013年イタリア総選挙

2013年イタリア総選挙は、イタリア共和国の立法府である代議院と元老院の議員を選出するため、2013年2月24日と25日に実施されました。この選挙は、マリオ・モンティ首相の辞任と、ジョルジョ・ナポリターノ大統領による上下両院の解散を受けて行われ、イタリア政局の大きな転換点となりました。

選挙の背景

2011年11月、財政危機の深刻化を受けてシルヴィオ・ベルルスコーニ首相が辞任。後任として、経済専門家のマリオ・モンティが首相に指名され、テクノクラート内閣が発足しました。モンティ首相は、財政再建のため緊縮財政政策を推進し、年金改革や増税などを実施しました。これらの政策は、財政の健全化には貢献したものの、国民生活に大きな負担を強いることとなり、モンティ政権の支持率は低下しました。

2013年の総選挙を前に、各政党は選挙戦略を模索し始めました。特に、ベルルスコーニ率いるPDLは、モンティ政権の政策に批判を強め、対立を深めました。そして、ベルルスコーニが総選挙への立候補を表明したことを受け、モンティ首相は辞意を表明し、ナポリターノ大統領は議会を解散、総選挙へと至りました。

選挙の概要

選挙では、モンティ首相が進めてきた構造改革路線の是非が問われました。主な勢力として、中道左派の民主党（PD）を中心とする連合、中道右派の「自由の国民」（PDL）を中心とする連合、そしてモンティ首相が結成した「イタリアのためモンティとともに」がありました。また、コメディアンのベッペ・グリロが率いる五つ星運動が、既成政党への批判を強め、支持を拡大していました。

選挙権と被選挙権
代議院：満18歳以上／満25歳以上
元老院：満25歳以上／満40歳以上

総定数
代議院：630名
元老院：315名（他に終身議員が加わる）

選挙制度

選挙制度は、比例代表制と小選挙区制を組み合わせた複雑なものでした。代議院と元老院で制度が異なり、有権者は政党や候補者を選んで投票しました。

代議院: 拘束名簿式比例代表制と小選挙区制の組み合わせ。
元老院: 非拘束名簿式比例代表制と小選挙区制の組み合わせ。

阻止条項が設定されており、議席を得るためには一定以上の得票率が必要でした。

主要政党・政党連合

中道右派連合: シルヴィオ・ベルルスコーニ率いるPDLや北部同盟などが参加。モンティ政権の緊縮財政政策を批判。
イタリア良きコムーネ: ルイジ・ベルサーニ率いる民主党を中心に、中道左派政党が結集。モンティ首相の改革を継続する姿勢を示唆。
イタリアのためモンティとともに: モンティ前首相を中心に、中道政党や無党派層が参加。
五つ星運動: ベッペ・グリロが率いる反体制的な市民運動。既成政党への批判を強め、支持を拡大。
* 市民革命: 共産主義再建党などの左派政党や環境保護政党が参加。

選挙結果

選挙の結果、民主党を中心とする中道左派連合が下院で最多得票を獲得し、議席の過半数を制しました。しかし、上院では過半数を獲得できず、政治的な不安定要素を残しました。中道右派連合は上院で善戦しました。五つ星運動は、上下両院で大きく躍進し、既存の二大勢力に迫る勢いを見せました。一方、モンティ首相が率いる中道連合は、期待されたほどの支持を得られませんでした。

結論

2013年イタリア総選挙は、財政危機と緊縮政策に対する国民の不満が色濃く反映された選挙となりました。選挙後、イタリアは不安定な政治状況に陥り、その後の政局に大きな影響を与えました。

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