2014年欧州議会議員選挙 (スペイン)

2014年スペイン欧州議会議員選挙：二大政党の衰退と新たな勢力の台頭

2014年5月25日、スペインでは欧州議会議員選挙が行われました。これは、欧州連合（EU）の議会である欧州議会を構成する議員を選出する選挙で、全加盟国で同時に行われ、スペインでは54議席が争点となりました。

本稿では、このスペインにおける欧州議会議員選挙の結果と、その背景にある政治情勢について詳細に解説します。

選挙制度

スペインの欧州議会議員選挙は、全国を1選挙区とする比例代表制（拘束名簿式）を採用しています。有権者は政党名簿に投票し、阻止条項はなく、全国集計された得票数に応じて、ドント式で議席が配分されます。議員の任期は5年です。

選挙結果：二大政党の敗北と新勢力の隆盛

選挙の結果、与党の国民党と野党第一党の社会労働党が上位2党を占めましたが、両党とも前回選挙に比べて200万票以上の得票減少という厳しい結果となりました。議席数も減少、これは二大政党にとって大きな打撃となりました。

一方、二大政党以外の全国政党や地方政党、そして既存の二大政党制に批判的な政党などが、大きく支持を伸ばしました。この結果は、スペインの政治状況における大きな変化を示唆しています。

社会労働党の書記長であるルバルカバ氏は、この事実上の敗北を受けて、予定よりも早く党大会を開き、新たな書記長を選出することを発表しました。これは、党内における改革の必要性を示すものであり、今後の社会労働党の動向に大きな影響を与えるでしょう。

選挙データは以下の通りです。

投票日: 2014年5月25日
有権者数: 34,731,569名
投票者数: 15,920,815名
投票率: 45.84％

注目すべき点：議員交代

選挙後、注目すべき出来事として、当初Euskal Herria Bilduから選出されたJosu Juaristi議員が、任期の最初の3年半を務めた後、ガリシア民族主義ブロックのAna Miranda議員と交代することが決まりました。Miranda議員はGreens/EFA会派に加わる予定です。

欧州議会会派

選挙で選ばれた議員たちは、様々な会派に所属します。主要な会派は以下の通りです。

EPP：欧州人民党
S&D：社会民主進歩同盟
ALDE：欧州自由民主同盟
Greens/EFA：欧州緑グループ・欧州自由連盟
ECR：欧州保守改革グループ
GUE/NGL：欧州統一左派・北方緑の左派同盟
EFD：自由と民主主義のヨーロッパ
NI：無所属
Others：新たに選出された議員で政治会派に属していない者

まとめ

2014年スペイン欧州議会議員選挙は、スペインの政治状況における転換期を示す重要な選挙でした。二大政党の議席減少と、新興勢力の台頭は、スペイン政治の今後の展開に大きな影響を与えるでしょう。また、社会労働党におけるリーダーシップ交代も、今後の党勢に大きな影響を与えることが予想されます。今後のスペイン政治の動向から目が離せません。

参考文献

Elecciones al Parlamento Europeo 2014（スペイン内務省）
* European Parliament / Results of the 2014 European elections（欧州議会）

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