2014年沖縄県知事選挙

2014年沖縄県知事選挙

2014年12月9日の仲井眞弘多知事の任期満了に伴い執行された沖縄県知事選挙は、2014年10月30日に告示、11月16日に投開票が行われました。この選挙は、従来の沖縄県内の選挙でよく見られた保革対立の構図とは異なり、普天間基地の辺野古移設やオスプレイ配備に対する評価が争点となりました。

立候補者

仲井眞弘多（現職）
翁長雄志（新人、前那覇市長）
下地幹郎（無所属、元郵政民営化担当相）
喜納昌吉（民主党県連代表、元参議院議員）

主要な争点

普天間基地返還問題

最大の争点となったのは、米軍普天間飛行場の返還問題です。特に、辺野古への移設に対する賛否が大きく分かれ、候補者それぞれの主張が鮮明になりました。現職の仲井眞氏は辺野古移設を推進する立場でしたが、翁長氏は移設反対を強く訴えました。

雇用対策

経済振興を含めた雇用対策も重要な争点となりました。各候補者は、沖縄経済の活性化や雇用の創出に向けた具体的な政策を提示し、有権者の支持を訴えました。

選挙の概要

この選挙では、普天間基地の辺野古移設問題に対する県民の意見が大きく分かれ、保守系勢力も分裂しました。3選を目指す現職の仲井眞氏に対し、野党統一候補として翁長氏が擁立され、さらに下地氏、喜納氏が加わり、4人が争うことになりました。選挙戦は、自民党、民主党、維新の各党が地元県連と党本部で対応が分かれるなど、混乱を極めました。

保守分裂

翁長氏の出馬は、自民党那覇市議会会派の一部議員が出馬を要請したことなど、保守陣営内での意見の相違が表面化しました。この動きにより、市議らが除名などの処分を受ける事態となりました。また、地元企業の一部も翁長氏を支援するなど、複雑な様相を呈しました。

野党共闘

社民党や共産党などの野党陣営は、翁長氏を統一候補として擁立しました。これにより、従来の保革対立の構図を超えた、基地問題に対する県民の強い意思を示す選挙戦となりました。

政党の対応

自民党は、党本部と県連で対応が分かれ、混乱が見られました。民主党も同様に、党本部と県連の間で意見が対立し、最終的には県連代表が除名される事態となりました。公明党は、辺野古移設に反対の立場から、自主投票を決定しました。

選挙の経緯

7月には、県議会野党が翁長氏への候補一本化を決定しました。また、名護市長も翁長氏に出馬を要請するなど、支持が拡大しました。一方、現職の仲井眞氏は、自民党県連からの出馬要請を受諾し、3選を目指しました。下地氏は、無所属で立候補し、普天間基地問題に関して県民投票を行うことを主張しました。民主党は、県連代表が最終的に除名され、分裂状態のまま選挙戦に突入しました。

同日選挙

知事選と同日には、以下の選挙も行われました。

那覇市長選挙
沖縄県議会議員補欠選挙（3議席）
那覇市議会議員補欠選挙（2議席）

選挙結果

投開票の結果、翁長雄志氏が仲井眞弘多氏に大差をつけて初当選しました。投票率は64.13％と前回を上回りました。翁長氏の勝利は、野党共闘に加え、保守層の一部や経済界からの支持、公明党の自主投票などが要因として挙げられます。

選挙後の影響

この選挙の結果は、沖縄県政に大きな変化をもたらしました。辺野古移設問題に対する県民の強い反対の意思が示され、今後の基地問題に関する議論に大きな影響を与えることになりました。

脚注

沖縄県選挙管理委員会

関連項目

沖縄県知事一覧
* オール沖縄

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