仲井眞弘多

仲井眞弘多について

仲井眞弘多（なかいま ひろかず、新字体：仲井真 弘多）は、1939年8月19日生まれの日本の官僚、実業家、政治家です。自由民主党沖縄県連最高顧問を務めています。沖縄県知事（本土復帰後第6代）、沖縄電力代表取締役社長、沖縄県商工会議所連合会会長などを歴任しました。

経歴

生い立ちと官僚時代
1300年代から続く久米三十六姓の家系に生まれる。
父親は沖縄芸能連盟の会長を務め、那覇市議会議員や沖縄群島議会議員も務めた。
1961年、東京大学工学部機械工学科卒業後、通商産業省に入省。
通商産業省では、沖縄開発庁沖縄総合事務局通商産業部長、通産省機械情報産業局通商課長、工業技術院総務部技術審議官などを歴任。
イタリア留学、ニューヨークでの勤務経験も持つ。
沖縄電力時代
1987年、沖縄電力理事に就任。
1990年、沖縄県副知事に就任。
沖縄電力に戻り、社長、会長を歴任。
沖縄県知事
2006年、沖縄県知事選挙で初当選。
2010年、再選。
2013年、普天間飛行場の辺野古移設を承認。
2014年、沖縄県知事選挙で落選。
知事退任後
* 2020年、旭日大綬章を受章。

沖縄県知事として

2006年の沖縄県知事選挙では、自民党と公明党の推薦を受け、野党推薦の糸数慶子氏を破り初当選を果たしました。選挙戦では、普天間基地の県内移設反対を訴える糸数氏に対し、仲井眞氏は経済振興を主な争点とし、稲嶺県政の継承発展を主張しました。仲井眞氏は県内保守派に支持基盤を持ちながらも、在日米軍基地問題や歴史問題については、前任者の稲嶺惠一氏同様に、政府とは異なる地元の立場を強く主張する姿勢を見せました。

2007年には、県知事として沖縄全戦没者追悼式に出席しましたが、その翌日に軽度の脳梗塞で入院しました。その後、文部科学省が公立高校の歴史教科書から旧日本軍の集団自決強制の記述を削除した問題では、県民の抗議集会に参加し政府の対応を批判しました。また、沖縄駐留アメリカ軍兵士による暴行事件に対しては強い怒りを表明しましたが、普天間飛行場の移設計画には影響しないと述べました。

2010年の知事選挙では再選を果たしましたが、米軍普天間基地移設問題は依然として流動的な状況にありました。2012年には、尖閣諸島問題が浮上する中で、中国の北京に沖縄県事務所を開設しました。また、2012年には普天間基地にオスプレイが配備されましたが、その配備計画は事前に公表されていませんでした。

2013年には、体調不良で入院しましたが、退院後には安倍晋三首相と会談し、普天間基地の辺野古移設を承認しました。この決断は大きな議論を呼び、県議会からは辞任要求決議が出されました。

辺野古移設問題

仲井眞氏の知事時代における最大の焦点は、普天間飛行場の移設問題でした。2013年12月、安倍晋三首相との会談後、辺野古の埋め立てを承認しました。この決断は、選挙公約であった「県外移設」を事実上撤回するものであり、県民からは強い反発を受けました。しかし、仲井眞氏は、振興予算の確保を理由に、政府の政策を支持する姿勢を示しました。

知事退任後も、仲井眞氏は辺野古移設の正当性を主張し、後任の翁長雄志知事の埋め立て承認撤回を批判しました。また、講演会などで、基地問題に関する自身の考えを積極的に発信しました。

その他の活動

仲井眞氏は、沖縄県民の健康長寿を取り戻すための県民運動にも力を入れ、「健康長寿おきなわ復活県民会議」を発足させました。また、自民党沖縄県連では顧問を務め、後に最高顧問に就任しました。2020年には、長年の功績が認められ、旭日大綬章を受章しました。

仲井眞弘多は、沖縄の経済発展に貢献した一方で、普天間基地移設問題では賛否両論を呼び、沖縄の政治史に大きな足跡を残した人物と言えるでしょう。

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