2014年福島県知事選挙

2014年福島県知事選挙は、平成26年11月11日の現職任期満了に伴い、同年10月9日に告示され、26日に投開票が実施されました。この選挙は、2011年の東日本大震災およびそれに伴う福島第一原子力発電所事故が発生して以降、初めて迎える知事選挙として、県内外から大きな関心を集めました。

未曾有の災害からの復旧・復興が喫緊の課題となる中での選挙であり、特に震災復興に関する様々な問題が主要な論点となりました。中でも、除染作業によって発生した放射性廃棄物を受け入れるための中間貯蔵施設の県内建設の是非は、候補者間や有権者の間で大きな議論の対象となりました。

選挙戦が本格化する前の段階で、複数の人物が立候補の意向を示したものの、最終的に出馬を見送る動きが見られました。その一人に、元日本銀行福島支店長を務めた鉢村健氏がいました。鉢村氏は2014年8月17日に一度立候補を表明。しかし、自民党福島県連は当初鉢村氏の推薦を決定していたにも関わらず、党本部は谷垣禎一幹事長が「県民を挙げた体制構築は困難」との判断を示し、支援を見送ることを決定しました。その代わりに、既に民主党が推薦を検討していた内堀雅雄氏に対し、「佐藤雄平前知事からの県政運営の継続性」や「県民の幅広い層からの支持が見込める」ことを理由に、与野党が相乗りして支援する方針を容認しました。この党本部の方針を受け、自民党県連の岩城光英会長は9月10日の会談でこれを受け入れ、「苦渋の決断」と述べ、党内の意見のずれは回避されました。翌日の記者会見で、鉢村氏は複数の政党関係者から出馬断念を求められたこと、また出馬によって「県民や支持者の間の分断が深まり、将来にわたり遺恨を残す」ことを避けたいと述べ、さらには「後援組織や友人からも支援を打ち切ると通告された」といった厳しい状況を理由に、立候補表明を撤回しました。また、医師の吉田孝司氏も8月25日には出馬を表明しましたが、後援会員の増加が見込めず選挙戦を戦うのは難しいと判断し、9月11日に撤回しました。接客業の高嶋努氏も9月16日に立候補を表明しましたが、10月4日に撤回しています。

告示日には、最終的に6名が立候補を届け出ました。各候補者は、それぞれの公式サイトなどで県政に関する基本政策や理念、マニフェストなどを掲げ、有権者への支持を訴えました。震災復興、原発事故への対応、地域経済の活性化など、喫緊の課題に対する独自の視点や具体的な方策を示し、論戦を展開しました。

2014年10月26日に投開票が実施されました。当日の有権者数は1,599,962人でした。最終的な投票率は45.85パーセントとなり、前回の知事選挙と比較して3.43ポイント上昇しました。

この知事選挙と同日には、福島県議会議員補欠選挙（いわき市選挙区、改選数1）も実施されました。この県議補選は同年10月16日に告示され、3名の候補者が立候補し、知事選と同じく10月26日に投開票が行われました。一方、同時期に任期満了を迎える予定だった金山町長選挙、浅川町長選挙、川俣町長選挙、南相馬市議会議員選挙などは、知事選との同日実施とはなりませんでした。

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