2016年のウェザーテック・スポーツカー選手権

2016 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権：詳細解説

2016年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権（WTSC）は、IMSAが主催する、北米を代表するスポーツカーレースシリーズのシーズンです。1971年のIMSA GT選手権から続く歴史を受け継ぎ、ウェザーテック社をタイトルスポンサーに迎えたことでシリーズ名が変更されました。IWSC、IWTC、WSCC、WTSCなど、複数の略称で呼ばれています。

シーズンは1月30日のデイトナ24時間レースで幕を開け、10月1日のプチ・ル・マンで閉幕しました。全12ラウンドにわたる熱戦は、ドライバー、チーム、そしてメーカーのプライドを懸けた戦いとなりました。

クラス規定

2016年シーズンのクラス規定は、前年を大きく踏襲しています。主な変更点としては、GTデイトナ(GTD)クラスがGT3車両規格に完全に統一されたことが挙げられます。ただし、ギア設定などのレース規定においては、GT3と異なる部分も存在しました。

レースは下記4クラスで開催されました。

プロトタイプ(P)クラス
プロトタイプ・チャレンジ(PC)クラス
GTル・マン(GTLM)クラス
GTデイトナ(GTD)クラス

スケジュールとレースカレンダー

2015年8月に発表された12ラウンドのレーススケジュールは、シーズン開始前に2回のテストセッションが設けられました。1回目は2015年11月、2回目は2016年1月、どちらもデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された「Roar Before the Rolex 24」イベントの一環として行われました。

各ラウンドでは、クラスの組み合わせが変更され、ロングビーチではPCクラスがPクラスとGTDクラスに加わり、カナディアンタイヤ・モスポート・パークでは全クラスが併催されるなど、多様なレース展開が繰り広げられました。特にラグナ・セカでは、サーキットの規模を考慮し、P/GTLMクラスとPC/GTDクラスを分割して開催するという独自の構成が採用されました。ライム・ロック・パークではGTLMクラスがPC/GTDクラスに加わりました。

エントリー

各クラスには様々なメーカーの車両がエントリー。PCクラスでは、全てのチームがシボレーV8エンジンを搭載したオレカ・FLM09シャシーを使用しました。

レース結果とランキング

シーズンを通して各クラスで激戦が繰り広げられ、最終的に総合優勝が決定しました。ここでは、ドライバーズ、チーム、そしてマニュファクチャラーのランキングについて詳しく見ていきましょう。

ポイントシステム

選手権ポイントは、各レースでの順位に基づいて付与されました。ドライバーは最低規定走行時間を満たす必要があり、そうでない場合はポイントは付与されません。さらに、各ドライバーにはレースごとに1ポイントが自動的に付与されるスターティングポイント制が導入されました。

チームポイントもドライバーズポイントと同様の算定方法が適用され、マニュファクチャラーポイントは、スターティングポイント制を除き、ドライバーズポイント及びチームポイントと同様の算定方法が適用されます。ただし、各マニュファクチャラーはクラス別に最上位のレースカーのポイントのみが評価対象となり、複数台エントリーした場合でも最上位の車両のポイントのみが加算される仕組みです。

北米耐久カップ

北米耐久カップは、通常の選手権とは異なるポイントシステムを採用していました。5-4-3-2制に基づき、1位から順に5、4、3、2ポイントが与えられ、デイトナ24時間、セブリング12時間、ワトキンズ・グレン6時間、ロード・アトランタ10時間レースでは、レース中の複数の時点で順位に応じたポイントが付与されました。このカップも、ドライバー、チーム、マニュファクチャラー別にランキングが算出されました。

各クラスのランキング

ドライバーズ、チーム、マニュファクチャラーランキングは、プロトタイプ(P)、プロトタイプ・チャレンジ(PC)、GTル・マン(GTLM)、GTデイトナ(GTD)の各クラス別に発表されました。各ランキングには、ペナルティによる順位変更や、規定走行時間未達成によるポイント剥奪などの詳細な備考が記載されています。

まとめ

2016年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権は、シリーズ名称変更、クラス規定の微調整、そして複雑なポイントシステムと北米耐久カップによる多様なランキングシステムが特徴的なシーズンでした。各クラスの激戦と、様々な要因が絡み合ったランキング争いは、レースファンの記憶に深く刻まれました。

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