2016年カナダグランプリ

2016年カナダグランプリ：激戦の舞台裏

2016年6月12日、カナダのモントリオールにあるサーキット・ジル・ヴィルヌーヴで開催されたF1カナダグランプリは、天候に翻弄されながらも、手に汗握る展開を見せた一戦となりました。今大会では、ピレリがウルトラソフトタイヤを投入。ホンダとフェラーリは、それぞれターボチャージャーをアップグレードし、激しい戦いを予感させました。

予選：雨とクラッシュの波乱

予選は、ドライコンディションからスタートしましたが、Q1開始直後から雨が降り始めました。Q1ではリオ・ハリアントのクラッシュにより、セッションは中断。Q2では、カルロス・サインツのクラッシュにより、再び赤旗が提示されるなど、波乱の展開となりました。

しかしながら、Q3までドライコンディションが続いたため、最終的にはルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得。チームメイトのニコ・ロズベルグは2位となり、メルセデスがフロントローを独占。セバスチャン・ベッテルが3位につけ、メルセデス勢に挑む構えを見せました。ケビン・マグヌッセンはフリー走行3回目のクラッシュにより予選を欠場することとなりましたが、スチュワードの判断により決勝への出走が認められました。また、複数のドライバーがペナルティによりグリッド降格となりました。

決勝：ハミルトンがベッテルを制す

決勝レースは、雨がポツポツと降る中、ドライコンディションでスタート。ポールポジションのハミルトンはスタートで出遅れ、ベッテルがトップに立ちました。レース序盤はベッテルがリードを保ちましたが、ジェンソン・バトンのマシン故障によるバーチャルセーフティカー導入を機に、タイヤ戦略が大きく影響しました。

ベッテルはタイヤ交換を行い、順位を上げるも、ハミルトンはタイヤ交換をせずに最後まで走り抜く戦略を選択。ベッテルは使用義務のあるソフトタイヤへの交換を余儀なくされ、ハミルトンに首位を譲りました。ハミルトンはベッテルの猛追を振り切り、見事優勝。今シーズン2連勝を達成しました。

ロズベルグは5位に終わり、ハミルトンとのポイント差は9ポイントに縮まりました。3位はバルテリ・ボッタスが獲得。2015年メキシコGP以来の表彰台となりました。

フリー走行：トラブルと好タイム

フリー走行では、各セッションで様々なアクシデントが発生しました。1回目のセッションでは、フェリペ・マッサがクラッシュ、マックス・フェルスタッペンは戒告処分を受けるなど、波乱の幕開け。2回目のセッションでは、気温上昇による路面状況の変化が、ドライバーたちに苦戦を強いせました。3回目のセッションでは、ケビン・マグヌッセンがクラッシュで赤旗となり、セッションは終了となりました。

一方、好タイムを記録したドライバーもおり、ルイス・ハミルトンはフリー走行1回目と2回目でトップタイムを獲得しました。セバスチャン・ベッテルも3回目のフリー走行でトップタイムを記録し、その速さを示しました。

まとめ：戦略とアクシデントが織りなすドラマ

2016年カナダグランプリは、天候、マシントラブル、ドライバーの戦略と、様々な要素が絡み合い、ドラマチックな展開となったレースでした。ハミルトンとベッテルの接戦、そしてポイント争いを繰り広げるハミルトンとロズベルグの動向など、多くの見どころがありました。このレースは、F1のダイナミックな魅力を改めて感じさせてくれる、記憶に残る一戦となったと言えるでしょう。

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