2016年中国グランプリ

2016年F1中国グランプリ：波乱の上海レースを振り返る

2016年4月17日、上海インターナショナルサーキットにて開催されたF1世界選手権第3戦、中国グランプリ。予選から決勝まで、数々のドラマが生まれた激動のレースを振り返ります。

レースウイーク：予兆と波乱の幕開け

4月11日、F1は予選システムを従来のフォーマットに戻すことを決定。開幕戦オーストラリアGPでのアクシデントで負傷したフェルナンド・アロンソは、バーレーンGPを欠場したものの、中国GPでは金曜日のフリー走行1回目に参加が認められました。メディカルチェックの結果、以降のセッションも走行可能となりました。

予選日は悪天候に見舞われました。土曜日のフリー走行3回目が終了するまで雨が降り続き、路面の一部は濡れた状態。Q1開始直後には、パスカル・ウェーレインがクラッシュして赤旗中断という事態が発生しました。さらに、パワーユニットに問題を抱えていたルイス・ハミルトンはQ1で脱落。予選から波乱の展開となりました。Q2では、ニコ・ヒュルケンベルグのマシンが左フロントタイヤの脱輪によりコース上に止まり、再び赤旗中断となりました。この混乱の中、ニコ・ロズベルグが今シーズン初のポールポジションを獲得しました。ヒュルケンベルグはチームによるアンセーフリリースが原因と判断され、3グリッド降格ペナルティが科せられました。ウェーレインとハミルトンは107%ルールをクリアできませんでしたが、スチュワードの判断により決勝出走が許可されました。ただし、ハミルトンはギアボックス交換による5グリッド降格ペナルティが追加され、最後尾からのスタートとなりました。

決勝レース：接触事故とロズベルグの独走劇

決勝レースはスタート直後から大荒れとなりました。セバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネン（共にフェラーリ）、ダニール・クビアト、フェリペ・ナッセとルイス・ハミルトン、マーカス・エリクソンとロマン・グロージャンなど、複数のマシンが接触。激しいバトルが展開されました。

ポールポジションからスタートしたロズベルグは、序盤、ダニエル・リカルドに先行を許しましたが、3周目にリカルドの左リヤタイヤがパンクしたことでトップに返り咲き、その後は独走。見事ポール・トゥ・ウィンで開幕3連勝を達成しました。2位にはベッテル、3位にはクビアトが入り、レッドブルは今シーズン初表彰台を獲得しました。タイヤトラブルから順位を落としたリカルドは、4位まで挽回。ライコネンも接触事故の影響から5位まで順位を上げました。最後尾スタートのハミルトンは、フロントウィングを損傷しながらも7位でフィニッシュしました。レース後には、オープニングラップでの接触をめぐり、ベッテルとクビアトの間に口論が勃発し、その様子が世界中に配信されました。

驚くべきことに、22台全てが完走。全車完走は2015年日本GP以来でした。

その他：ファステストラップ、ペナルティなど

ファステストラップはニコ・ヒュルケンベルグが記録しました。一方、ヒュルケンベルグはセーフティカー走行中にピットエントリーで不必要な減速を行い、後続車の走行を妨害したとして、5秒のタイムペナルティとペナルティポイント2点が科せられました。

レース結果サマリー

ロズベルグの圧倒的な勝利に終わった中国GPでしたが、予選から決勝まで、様々なアクシデントやドラマが凝縮された、記憶に残るレースとなりました。 各ドライバーの戦略やマシンの性能、そしてドライバー同士の駆け引きなど、様々な要素が絡み合い、結果が最後まで読めない展開となりました。 このレースは、ドライバー、チーム、そしてファンにとって、興奮と感動に満ちた一日だったと言えるでしょう。

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