2017年のインディカー・シリーズ

2017年ベライゾン・インディカー・シリーズ：激動のシーズン

2017年のベライゾン・インディカー・シリーズは、シリーズ22年目のシーズンとして、数々のドラマチックな出来事や変化に満ちた一年となりました。伝統のインディアナポリス500では、佐藤琢磨選手が見事優勝を飾るなど、日本勢も活躍を見せました。一方、シリーズチャンピオンの座を掴んだのはジョセフ・ニューガーデン選手。チーム・ペンスキーに移籍した初年度で4勝、1度のポールポジションを獲得するなど、圧倒的な強さを見せつけました。チーム・ペンスキーにとっても、通算15度目、過去4年間で3度目のチャンピオン獲得という快挙となりました。

前年チャンピオンのサイモン・パジェノ選手は、チームメイトであるニューガーデン選手に次ぐ2位という結果に終わりました。このシーズンは、2015年から導入されていたホンダとシボレーのエアロキットが使用された最後の年でもあり、翌2018年シーズンからの新エアロキット導入に向けて、各チームは開発にしのぎを削っていました。

2017年シーズンのレースカレンダーは、2016年シーズンとほぼ同様でしたが、2003年以来となるゲートウェイ・モータースポーツ・パークの復活が大きな話題となりました。また、ブレーキサプライヤーにはパフォーマンス・フリクション・ブレーキが新たに採用されるなど、技術面でも変化が見られました。

チームとドライバーの変更：新たな勢力図

このシーズンは、チームやドライバーの移籍も非常に目立ちました。チップ・ガナッシ・レーシングは長年のスポンサーであるターゲットとの契約終了、そしてシボレーからホンダへのエンジン供給変更を発表。一方、A.J.フォイト・エンタープライズはホンダからシボレーへスイッチするなど、チーム間の勢力図に大きな変化が見られました。KVレーシング・テクノロジーは参戦を取りやめ、その機材の一部はユンコス・レーシングへと引き継がれました。

ドライバーの変更も激しく、チーム・ペンスキーはジョセフ・ニューガーデン選手と契約し、ファン・パブロ・モントーヤ選手をパートタイムドライバーへと変更。デイル・コイン・レーシングはセバスチャン・ボーデ選手と契約、アンドレッティ・オートスポーツには佐藤琢磨選手が加入するなど、各チームはドライバーラインナップの刷新を進めました。エド・カーペンター・レーシングではJ.R.ヒルデブランド選手に代わり、ジョセフ・ニューガーデン選手が21番車をドライブすることになりましたが、その後ヒルデブラント選手は負傷により欠場しました。また、数々のドライバー変更は、スポンサーシップの問題や、怪我、ビザの問題など、様々な要因が絡み合っていました。マクラーレン・ホンダはアンドレッティ・オートスポーツとパートナーシップを組み、F1世界チャンピオンであるフェルナンド・アロンソ選手がインディ500に参戦するというサプライズもありました。

2017年シーズンのポイントシステム

ポイントシステムは、レースでの順位だけでなく、ラップリード数、ポールポジション獲得数などが加算される複雑なものでした。また、エンジンの交換回数もポイントに影響を与えるため、チームは戦略的な判断を迫られました。マニファクチャラーのポイント争いも激しく、ホンダとシボレーは熾烈な争いを繰り広げました。

まとめ

2017年ベライゾン・インディカー・シリーズは、佐藤琢磨選手のインディ500制覇、ジョセフ・ニューガーデン選手のシリーズチャンピオン獲得、そしてチームやドライバーの入れ替わりが激しかったシーズンでした。ホンダとシボレーのエアロキット最終年ということもあり、技術革新への期待感も高まり、2018年シーズン以降への期待感を膨らませる、非常にエキサイティングなシーズンとなりました。

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