チーム・ペンスキー

チーム・ペンスキー：アメリカのモータースポーツ界を代表する名門チーム

チーム・ペンスキーは、アメリカ合衆国ノースカロライナ州ムーアズビルに拠点を置く、モータースポーツ界における伝説的なレーシングチームです。1958年、元F1ドライバーのロジャー・ペンスキーによって設立され、インディカー、NASCAR、スポーツカーレースなど、数々のカテゴリーで輝かしい実績を残してきました。その圧倒的な強さから、アメリカのモータースポーツ界における「ニューヨーク・ヤンキース」と称されるほどです。

オープンホイールでの成功

チーム・ペンスキーは、特にオープンホイールレースにおいてその名を馳せています。インディカー・シリーズを中心に、32回もの北米最高峰レース制覇を達成しています。独自のシャシー製造能力も持ち合わせており、1970年代にはF1にも参戦。1999年までは、独自開発のPCシリーズのシャシーでCARTにも参戦し、1993年にはアイルトン・セナがテストドライバーを務めたことでも知られています。

NASCARでの活躍

ストックカーレースでは、1972年からNASCARウィンストンカップ・シリーズに参戦を開始。2003年からはダッジとワークス契約を結び、2008年のデイトナ500では1-2フィニッシュを達成するなど、大きな成功を収めました。2012年にはブラッド・ケセロウスキーがチームとして初のシリーズチャンピオンを獲得。その後、ダッジの撤退に伴い2013年からフォードへマシンを変更し、2015年にはジョーイ・ロガーノがデイトナ500を制覇、2018年にはロガーノがシリーズチャンピオンを獲得するなど、現在もトップチームとして活躍を続けています。

スポーツカーレースでの栄光

スポーツカーレースへの参戦も古く、1966年からローラ・シボレーでCan-AmやUSRRCに参戦。1969年にはデイトナ24時間レースで総合優勝を飾るなど、数々のタイトルを獲得しました。2000年代にはグランダム・シリーズ、アメリカン・ル・マン・シリーズ（ALMS）にも参戦。ALMSではポルシェと提携し、「DHL・ポルシェ・チーム・ペンスキー」としてLMP2クラスで2006年から2008年まで3連覇を達成しました。また、2018年から2020年にはユナイテッド・スポーツカー選手権（USCC）にアキュラと提携し「アキュラ・チーム・ペンスキー」として参戦し、2019年と2020年にチャンピオンを獲得。そして2023年には再びポルシェと提携し、「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ」として、ユナイテッド・スポーツカー選手権とFIA世界耐久選手権（WEC）に参戦しています。

F1への参戦

チーム・ペンスキーは1974年から1978年までF1にも参戦しました。1976年のオーストリアグランプリでは、ジョン・ワトソンがチーム唯一となる優勝を飾りました。当初は自社開発のシャシーを使用していましたが、1977年にはATSにチームが買収され、翌年にはコンストラクター名もATSに変更されました。

その他の活動

2014年にはオーストラリアのスーパーカー選手権強豪チームであるDJRレーシングの株式の過半数を取得し、「DJR・チーム・ペンスキー」として参戦しています。

所属ドライバー

長年にわたって、多くの名ドライバーを育成・輩出してきたチーム・ペンスキー。現在も、インディカー、NASCARにおいてトップクラスのドライバーたちが所属し、その伝統と強さを維持しています。過去には、グレッグ・ムーア、ドニー・アリソン、ボビー・アリソン、ラスティ・ウォレス、ライアン・ニューマン、カート・ブッシュ、ブラッド・ケセロウスキー、ジョーイ・ロガーノといった数々のスター選手がチームに所属していました。

まとめ

チーム・ペンスキーは、その長きにわたる歴史の中で、数々の栄光と伝説を刻んできました。インディカー、NASCAR、スポーツカーレースと、多様なカテゴリーで活躍し、常にトップレベルの競争力を維持し続けるその強さは、多くのファンを魅了し続けています。その輝かしい歴史と、今後の活躍にも目が離せません。

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