2017年イギリスグランプリ

2017年イギリスグランプリ詳報：ハミルトンの圧勝とフェラーリの苦杯

2017年7月16日、イギリスグランプリがシルバーストン・サーキットを舞台に開催されました。このレースは、2017年のF1世界選手権において重要な転換点となる出来事をもたらすことになります。

レースウイークの出来事

レースに先立ち、いくつかの重要な出来事が発生しました。まず、ピレリはミディアム、ソフト、スーパーソフトの3種類のドライタイヤを供給。さらに、シルバーストン・サーキットの開催契約が2019年までと短縮されることが発表され、今後のイギリスGP開催を危ぶむ声も上がりました。

ホンダは前戦オーストリアGPで問題が発生したパワーユニットをアロンソの車両に戻したものの、エナジーストア(ES)の交換により5グリッド降格ペナルティが科せられました。また、トロ・ロッソのサインツJr.は車検不合格によるスチュワードへの出頭命令を受けたものの、問題を解決しレースに臨むことになりました。

そして、フォーミュラワン・グループは写真共有アプリのスナップとのグローバルパートナーシップを発表。イギリスGPを含む複数レースが、このパートナーシップによって盛り上げられることになりました。

フリー走行

3回のフリー走行セッションでは、天候やマシントラブルなどが各チームを悩ませました。1回目のフリー走行では、ハースがジョヴィナッツィを起用。また、フェラーリは新たなコクピット保護デバイスのテストを実施しましたが、ベッテルは「目まいがした」とコメントしています。ボッタスがトップタイムを記録しました。

2回目のフリー走行では、サインツがコースオフによるマシンダメージ、ライコネンもコースアウトするなど、不安定な走行が続きました。そして、マッサとフェルスタッペンが接触寸前のアクシデントも発生。ボッタスがトップタイムを記録しましたが、ギアボックス交換により5グリッド降格ペナルティが科せられることになりました。

3回目のフリー走行は、雨が降り出す可能性がある状況で行われました。ボッタスに続き、リカルドもギアボックス交換による5グリッド降格ペナルティが決定。アロンソは複数のパワーユニット交換により、合計30グリッド降格の大幅ペナルティを課せられました。セッションはドライコンディションで開始されましたが、途中で雨が降り始め、ハミルトンがトップタイムを記録しました。

予選

予選では、ハミルトンがコースレコードを更新してポールポジションを獲得。イギリスGP5回目のポールポジションとなり、ジム・クラークと並び歴代1位タイとなりました。また、通算67回目のポールポジション獲得で、ミハエル・シューマッハの記録にあと1回と迫りました。予選は、雨の状況下で行われ、リカルドのパワーユニットトラブルによる赤旗中断など、波乱の展開となりました。Q1では、アロンソがスーパーソフトタイヤで好タイムを記録。Q2ではハミルトンとボッタスがトップ争いを展開。Q3では、ハミルトンがコースレコードを大幅に更新し、ポールポジションを獲得しました。

決勝レース

決勝レースは、ハミルトンの圧勝劇となりました。ハミルトンはポール・トゥ・ウィンで優勝を果たし、イギリスGP4連勝（通算5勝目）を達成。グランドスラム（ポールポジション、ファステストラップ、優勝、全周回トップ）も達成し、シューマッハと並ぶ歴代2位タイとなりました。

レース展開は、パーマーのマシントラブルによるセーフティーカー導入や、クビアトとサインツの接触事故などが大きな転換点となりました。上位争いでは、ボッタスが上位に浮上し、終盤にはフェラーリのライコネンとベッテルがタイヤトラブルに見舞われ、順位を大きく落としました。最終的に、ハミルトンが優勝、ボッタスが2位、リカルドが5位でフィニッシュ。ベッテルは7位に終わり、ハミルトンとのポイント差は1点差に縮まりました。

まとめ

2017年イギリスGPは、ハミルトンの圧倒的な勝利、フェラーリの苦戦、そして様々なアクシデントやペナルティが絡み合う、ドラマチックなレースとなりました。このレースの結果、ドライバーズチャンピオンシップの争いはさらに激化し、シーズン後半戦への期待が高まりました。

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