2017年カナダグランプリ

2017年カナダグランプリ詳報

2017年6月11日、F1世界選手権第7戦、カナダグランプリがジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開催されました。今大会では、ピレリが提供するウルトラソフト、スーパーソフト、ソフトの3種類のドライタイヤが使用されました。マクラーレンは他チームと異なるタイヤ選択を行い、話題を呼びました。また、ショートカットを防止するため、ターン8とターン9のシケインには新たな対策が講じられました。

フリー走行

フリー走行1回目は曇天の下、路面温度の低さとスムーズな路面にドライバーたちが苦戦。サインツJr.のエンジントラブルやアロンソの油圧低下によるマシンストップなど、アクシデントも発生しました。ハミルトンがトップタイムを記録しました。

フリー走行2回目も曇天が続きましたが、雨に降られることなく終了。多くのドライバーがグリップ不足に悩まされ、スピンを繰り返す場面も。リカルドのパワーロス、フェルスタッペンの白煙を伴うマシンストップによる赤旗中断など、波乱の展開となりました。ライコネンがトップタイムを獲得しました。

フリー走行3回目はドライコンディションの中、ベッテルがトップタイムを記録。前年のポールポジションタイムを上回る速さを見せつけました。ハミルトンはフェラーリ勢には及ばず3位となりました。

予選

予選では、ハミルトンが通算65回目のポールポジションを獲得。セナと並ぶ偉業を達成しました。Q1ではウェーレインのクラッシュによるダブルイエロー、Q2ではクビアトのタイヤトラブル、と様々なアクシデントが展開されました。Q3ではハミルトンがベッテルを抑えポールポジションを獲得しました。

決勝

決勝レースは晴天の下、ハミルトンがポール・トゥ・ウィンで優勝。自身4度目となるグランドスラム（ポールポジション、ファステストラップ、全周回トップ、優勝）を達成し、今シーズン3勝目を挙げました。メルセデスは今シーズン初のワンツーフィニッシュを達成しました。

レース序盤はフェラーリ勢のスタート失敗、サインツとグロージャンの接触によるセーフティカー導入など、波乱の展開。ベッテルは接触によるフロントウイングの損傷で後退を強いられました。フェルスタッペンのマシントラブルによるバーチャルセーフティカー導入、マグヌッセンのペナルティなどもレースを彩りました。

中盤以降は、ハミルトンが首位をキープ。タイヤ交換戦略も功を奏し、ボッタス、リカルド、ペレス、ライコネン、オコンらとの順位争いが展開されました。終盤にはベッテルが猛追し、フォースインディア勢との3位争いも白熱しました。最終的にハミルトンが優勝、ボッタスが2位に入り、メルセデスがコンストラクターズランキング首位に返り咲きました。ベッテルは4位、ストロールは母国で9位入賞を果たしました。一方、アロンソは終盤にエンジントラブルでリタイア、マクラーレンは依然としてノーポイントとなりました。

まとめ

2017年カナダグランプリは、ハミルトンの圧倒的な強さ、メルセデスのワンツーフィニッシュ、そして様々なアクシデントや戦略、順位争いが織りなす見応えのあるレースでした。各チームのタイヤ戦略やマシントラブル、ドライバーの走り、そしてレース展開の妙が凝縮された、記憶に残る一戦となりました。ハミルトンとベッテルのドライバーズ選手権争いはますます激しさを増し、今後の展開が注目されます。

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