2017年サンクトペテルブルク地下鉄爆破テロ事件

2017年サンクトペテルブルク地下鉄爆破テロ事件

2017年4月3日、ロシアのサンクトペテルブルクで発生した地下鉄爆破テロ事件は、衝撃的な爆発が市民を襲い、多くの尊い命が失われました。この事件は、地下鉄のセンナヤ広場駅と工科大学駅の間で発生し、約1キロの爆発物を含む装置が列車内で爆発したことが報告されています。

背景

ロシアにおけるテロ事件は以前から頻発しており、特にチェチェン分離主義者による攻撃が数多くありましたが、地下鉄を狙った攻撃は2010年以来存在しませんでした。2016年には、ISILがロシアのシリア軍事介入を理由に首都モスクワやサンクトペテルブルクを狙った攻撃を計画しており、治安当局により関連する武装集団が逮捕されていました。これらの情報は、事件前にISILからのプロパガンダとして出回っていました。このため、サンクトペテルブルクは何らかの攻撃を受ける危険を抱えていました。

攻撃の詳細

爆発は、サンクトペテルブルク地下鉄のセンナヤ広場駅と工科大学駅の間のトンネル内を走行中の列車の中で起き、現場は一瞬にして混乱に包まれました。爆発後、全地下鉄駅は速やかに閉鎖されました。インテルファクス通信によると、この事件は自爆テロとして、中央アジア系の過激派の仕業だとされました。

二度目の爆発が著名な蜂起広場駅で発見され、幸いにも解除されました。この爆発装置は、玉軸受や榴散弾を使用しており、消火器に隠されていたため、発見は困難でした。

能力検査と捜査の進展

事件後、モスクワおよびサンクトペテルブルクの地下鉄では金属探知機を使用して厳重な保安検査が実施されました。モスクワ地下鉄は、サンクトペテルブルクの地下鉄に支援を提供する用意があると声明を発表しました。地元のメディアは、サヴョロフスカヤ駅やウグレシスカヤ駅で疑わしい包みが発見されたと伝えました。発生した混乱の中で、列車を止めないと決断した運転手の行動がさらなる死者を防ぐ要因となったとも報告されています。

被害の状況

ロシア保健省によると、今回の事件では約50人が死傷し、なかでも7人が即死、さらに8人が搬送後に死亡したことが確認されています。負傷者の中には子どもも含まれており、多くの家庭が悲しみに暮れました。

容疑者の特定

攻撃を指導した容疑者として、22歳のキルギス系ロシア人アクバルジョン・ジャリロフが特定されました。彼はキルギスのオシで生まれ、モスクワに移住していました。彼についての情報は様々ですが、テロを計画していた時期には失踪していたとも言われています。

国内外の反応

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は事件当時、現場に居合わせ、強い捜査の意志を表明しました。また、モスクワ市長は輸送インフラの安全性を強化すると宣言しました。国外では、ウクライナが保安体制を強化し、日本の安倍総理も強い非難を表明しました。

この事件は、ロシア社会に大きな衝撃を与え、テロへの警戒感を新たにする契機となりました。

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