インテルファクス通信

インテルファクス通信社について

インテルファクス（Interfax）は、ロシアのモスクワに本社を置く、独立系の通信社です。1989年、ミハイル・ゴルバチョフによるペレストロイカとグラスノスチという変革の波の中で、合弁事業として誕生しました。当時、最新技術であったファクシミリを利用した速報サービスで注目を集め、ロシア国内で最大規模の通信社へと成長しました。

現在では、30以上の関連会社を抱える企業グループとして、国内外に幅広い情報を提供しています。日本語メディアでは、「インタファクス通信」または「インターファクス通信」という名称で広く知られています。

歴史

1987年、ソ連テレビラジオ放送委員会の国外情報部門で働いていたミハイル・コミサールは、外国の外交官からソ連国内の出来事をもっと詳しく知りたいという要望を受けました。これが、インテルファクス設立のきっかけとなります。

コミサールは、新しい通信事業を立ち上げるため、各部署との交渉を進め、1989年、ゴルバチョフの側近であったアレクサンドル・ヤコヴレフから口頭で事業の許可を得ました。

当時、ソ連ではテレタイプが主流の通信手段でしたが、タス通信などの機関が独占していました。そこでコミサールは、ファクシミリを用いた通信事業を考案し、ソ連・フランス・イタリアの合弁事業「インタークワドロ」の協力のもと、事業を開始することに成功します。

1989年9月、インテルファクスは事業を開始しました。タス通信などの大手通信社を相手に、ファクシミリで一日数回情報を配信するという、シンプルながら画期的な手法で、外国人コミュニティを中心に信頼を集めました。1989年末には購読者数が50に達し、1990年4月には100を超えました。

海外にも多くの購読者を獲得しましたが、特にバルト三国の情勢を連日報道したことが、ソ連共産党保守派の反発を招き、事業閉鎖の圧力が高まりました。1990年秋には、合弁相手だったインタークワドロが撤退しましたが、当時の出版情報相ミハイル・ポルトラーニンの支援を受け、民間企業として正式に登録しました。

1991年1月11日、インテルファクスは取り締まりを受け、一時的に事業を停止させられます。オフィスからも追放されましたが、すぐに事業を再開し、この日を「独立記念日」としています。

1991年2月には、初の海外業務提携として日本の共同通信社と契約を結びました。同年7月には、アメリカのデンバーに子会社を設立し、海外展開を加速しました。

1991年8月のクーデター未遂事件では、国家非常事態委員会がメディアを閉鎖し、国際電話通信を遮断しましたが、インテルファクスは「SprintNet」というグローバルネットワークを利用していたため、国外への情報伝達に成功しました。

事業の拡大

インテルファクスは、旧ソ連諸国への事業展開も積極的に進めました。1992年にはウクライナ、1994年にはベラルーシ、1996年にはカザフスタン、2002年にはアゼルバイジャンに子会社を設立しました。しかし、2022年1月には、ベラルーシの法改正により、同国の子会社が事業停止を余儀なくされました。

ロシア国内では、モスクワを中心に21都市に拠点を展開しています。モスクワやサンクトペテルブルクに加え、チェリャビンスク、クラスノヤルスク、イルクーツク、ハバロフスク、バルナウル、ウファなど、地方の主要都市にも支局を構えています。

海外拠点としては、1991年にアメリカのデンバー、1992年にロンドン、1993年にフランクフルト、1998年に香港に子会社を設立しました。

1999年にはロイター、2000年にはEFEと提携を開始し、2001年にはS&P、2002年にはムーディーズとも提携しています。

2004年には、企業情報データベース「SPARKシステム」が稼働を開始しました。このデータベースは、ロシア国税局、国家統計庁、ロシア財務省、中央銀行、米D&B社など、65の機関からの情報に基づいており、ロシアだけでなく、ウクライナ、カザフスタン、ベラルーシ、キルギスタン、モルドバの法人および個人事業主に関する情報を提供しています。

受賞

2015年には、ルネト賞（文化・報道部門）を受賞しました。

関連情報

ロシアの今日（旧RIAノーボスチ）
タス通信

外部リンク

Interfax - グループ公式サイト
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Интерфакс-Казахстан - カザフスタン
* Интерфакс-Азербайджан - アゼルバイジャン

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