2017年市川市長選挙

2017年 市川市長選挙と再選挙

2017年11月に行われた千葉県市川市の市長選挙は、日本の地方自治体において異例の展開を見せました。この選挙は、市川市の首長を選出するために実施されましたが、一度目の投票では当選者が確定せず、再選挙が実施されるという経緯をたどりました。

第1回選挙（2017年11月）

選挙のきっかけは、当時2期を務めていた大久保博市長が、2017年12月24日の任期満了をもって退任することを表明したことでした。これにより、任期満了に伴う市長選挙が実施されることになりました。選挙日程は2017年11月19日に告示され、11月26日に投票が行われました。この選挙には、新人5名が立候補しました。

投票の結果、村越祐民氏が最も多くの票を獲得しましたが、公職選挙法で定められた当選に必要な有効投票総数の25%にあたる法定得票に達しませんでした。このため、公職選挙法の規定に基づき、再選挙を実施することが決定されました。

選挙事由: 任期満了
告示日: 2017年11月19日
投票日: 2017年11月26日
立候補者数: 5名
結果: 法定得票に達する候補者がなく、再選挙へ
投票率: 30.76%
当日有権者数: 393,815人

再選挙への道のり

再選挙の実施が決定した後、当初は2018年1月14日に投票日を設定する方針が示されました。しかし、第1回選挙と同日に実施された市川市議会議員補欠選挙に関して、立候補者から選挙結果の無効を求める異議申し立てがなされたため、再選挙の日程は一時的に白紙となりました。その後、市川市選挙管理委員会は異議申し立てを棄却し、再選挙の日程を改めて設定。2018年4月15日告示、4月22日投票で実施されることが決定しました。

再選挙までの間、2017年12月24日に大久保市長が任期満了で退任したため、市川市は一時的に市長不在の状態が続きました。第1回選挙に立候補した5名は全員が再選挙への出馬意向を示していましたが、再選挙に向けて動きがありました。

具体的には、投票日が4月22日に確定した後、候補者のうち小泉氏が4月2日に立候補を取りやめ、田中氏への支持を表明しました。さらに4月6日には、高橋氏が立候補を取りやめ、坂下氏への支持を表明しました。これにより、再選挙の立候補者は当初の5名から3名に絞られました。

これらの動きを受けて、自由民主党市川支部は坂下氏の推薦を検討しましたが、田中氏陣営に参加した市議からの反発があったため、最終的に自民党千葉県連は自主投票を決定しました。

再選挙（2018年4月）

2018年4月22日に再選挙の投票が行われました。再選挙には、第1回選挙で最多得票だった村越氏に加え、第1回選挙での得票を合算すると有利とみられていた坂下氏と田中氏の3名が立候補しました。事前の見方では、坂下氏と田中氏が有利とされていましたが、選挙期間中、村越氏は立憲民主党の枝野幸男代表や日本共産党の小池晃書記局長らの応援を受け、他の保守系候補との違いを鮮明に打ち出す選挙戦を展開しました。

投票の結果、村越祐民氏が当選を果たし、初めて市川市長に就任しました。一方、公明党市川市議団の支持も得ていた坂下氏は、得票を伸ばしきれませんでした。

告示日: 2018年4月15日
投票日: 2018年4月22日
立候補者数: 3名
結果: 村越祐民氏が初当選
投票率: 33.97%
* 当日有権者数: 391,001人

この選挙は、法定得票制度により再選挙となったこと、異議申し立てによる日程変更、そして再選挙期間中の候補者間の動きなど、地方選挙としては珍しい出来事が重なった選挙として記憶されています。

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