2019年北海道議会議員選挙

2019年 北海道議会議員選挙

選挙の概況

2019年 4月7日、日本の広範な地方選挙が一斉に行われる第19回統一地方選挙の前半戦投票日に合わせて、北海道議会議員の全面改選を目指す選挙が実施されました。これは、現職を務める道議会議員の4年間の任期が満了したことに伴うものであり、1947年の第1回選挙以来、この北海道議会議員選挙は一貫して統一地方選挙の日程で執行されています。また、多くの場合、北海道知事選挙も同日に行われており、この2019年の選挙も知事選と同日実施となりました。

北海道は、歴史的に見て、かつて日本社会党とその流れを汲む政党が比較的強い地盤を持つ地域とされてきました。過去の北海道議会議員選挙においても、長年にわたり自由民主党（自民党）と議席数を巡って激しい争いを展開してきた歴史があります。しかし、この2019年の選挙が迫る時期の政治情勢は、以前とは異なる様相を呈していました。

特に、2017年には当時の主要野党であった民進党が、旧社会党系の系譜を継ぐ立憲民主党と、旧民社党系の系譜を汲む国民民主党に分裂し、野党勢力の構図が大きく変化していました。さらに、同日実施される北海道知事選挙では、3期務めた現職の高橋はるみ知事が、同年の参議院議員選挙への立候補を理由に不出馬を表明。これにより、新人候補者による争いとなり、道政の新たなリーダーが誕生する見込みであることから、道議会議員選挙の結果も、その後の道政運営に直結するものとして、例年以上に大きな関心を集めることとなりました。

基礎データ

この北海道議会議員選挙では、改選される100議席（これは前回選挙から1議席減となっています）に対し、総勢134人が立候補しました。立候補者数は、前回選挙と比べて6人減少しています。

また、選挙区は全部で47ありますが、そのうち21の選挙区、すなわち全体の約45%にあたる選挙区では、定数と同じかそれ以下の候補者しか立候補しなかったため、投票が行われず無投票当選となりました。これらの選挙区で当選した議員は35人に上り、これは過去の北海道議会議員選挙における無投票当選者数として最多を記録しました。

選挙実施の事由: 議員任期満了
告示日: 2019年 3月29日
投票日: 2019年 4月7日
改選される議席数: 100議席
選挙区数: 47選挙区（うち無投票となった選挙区: 21）
立候補者総数: 134人（うち無投票により当選: 35人）
同日に行われた他の選挙: 2019年北海道知事選挙

選挙結果と各党の勢力

投票の結果、北海道議会における各党の勢力図には顕著な変化が見られました。

自由民主党は、選挙前の50議席から1議席を増やし、合計51議席を獲得しました。この結果、自民党は実に36年ぶりとなる議会の単独過半数議席確保を達成し、歴史的な勝利を飾りました。

知事選で自民党と共に当選候補を支援した公明党は、擁立した8名の候補者全員が当選を果たし、改選前の8議席を維持しました。

自民党と公明党が安定多数を占めたことは、同日行われた知事選で初当選した鈴木直道新知事の道政運営にとって、議会での安定的な基盤を提供することとなりました。

一方、旧社会党の流れを汲む主要な野党である立憲民主党は、30議席を獲得しましたが、議会における主導権を握るには至りませんでした。

民進党から分裂したもう一方の勢力である国民民主党は、残念ながら擁立した候補者がいずれの選挙区でも当選を果たせず、北海道における党の影響力を大きく失う結果となりました。

日本共産党は、選挙前の4議席から1議席減らし、3議席にとどまりました。この議席数では、議会で党として代表質問を行うための要件を満たせなくなり、代表質問権を喪失しました。

その他の政党・政治団体としては、日本維新の会や市民ネットワークなどが候補者を擁立しましたが、当選者を出すことはできませんでした。

また、この選挙では、全国の都道府県議会議員として初めて、性的少数者であることを公表している議員が誕生したことも、特筆されるべき出来事の一つです。

選挙全体の投票率は56.63%でした。これは、前回2015年の道議会議員選挙の投票率58.61%と比較すると、1.98ポイントの低下となっています。

まとめ

2019年の北海道議会議員選挙は、自由民主党が36年ぶりに単独過半数を獲得するという、北海道政史において重要な節目となりました。これは、かつて野党勢力が強かった北海道の政治潮流の変化や、直前の民進党分裂、そして現職知事の交代という、当時の複雑な政治状況を反映した結果と言えるでしょう。また、過去最多となった無投票区の多さは、地方議会選挙における候補者擁立の課題や、有権者の地域政治への関心のあり方についても改めて問いを投げかけるものとなりました。この選挙で形成された議会の構成は、その後の北海道の行政運営に長期的な影響を与えることになります。

2019年北海道議会議員選挙