2020年スリランカ議会総選挙

2020年スリランカ議会総選挙：詳細な分析

2020年8月5日にスリランカで行われた国民会議議員の総選挙は、スリランカの政治地図を大きく塗り替える結果となりました。本記事では、この選挙の概要、背景、結果、そしてその後の影響について詳細に解説します。

選挙の概要

投票日: 2020年8月5日
改選数: 225議席
選挙制度: 非拘束名簿式比例代表制（選挙区196議席、全国区29議席）
有権者数: 16,263,885人

この選挙では、有権者の約31.95%を若年層が占めていました。投票者は政党に投票するだけでなく、最大3名までの個人名を記入することができました。

選挙の背景

この選挙は、前年に発生した新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の世界的流行の影響を受け、少なくとも2回の延期を余儀なくされました。選挙管理委員会は、コロナ対策が機能するかを確認するため、選挙前に模擬選挙を実施しました。

選挙結果

スリランカ人民自由同盟（SLPFA）が、得票率59.09%で145議席を獲得し、圧勝しました。SLPFAは22の選挙区のうち18選挙区で勝利し、統一人民戦線（SJB）に大差をつけました。一方、統一人民戦線（SJB）は得票率23.90%で54議席の獲得にとどまりました。また、タミル国民連合も10議席を獲得しました。

注目すべきは、以前から二大政党の一角を構成していた統一国民党（UNP）が、党内の指導権争いにより分裂し、わずか1議席という歴史的な大敗を喫したことです。

党派別獲得議席

選挙後の影響

この選挙結果により、ラージャパクサ家の影響力がさらに増すことが予想されます。与党選出議員として、党首マヒンダ・ラージャパクサに加え、彼の息子ナマル、兄チャマルとその息子のシャシーンドラ、そして甥のニプナ・ラーナーワカの合計5名が国会議員となりました。

また、SLPFAは憲法改正に必要な議席数まであと5議席と迫ったため、大統領の権限を縮小した2015年の憲法改正を覆す可能性が生まれました。これにより、スリランカの政治体制に大きな変化がもたらされる可能性があります。

まとめ

2020年のスリランカ議会総選挙は、COVID-19のパンデミックという未曽有の事態の中で行われ、スリランカの政治勢力図を大きく変える結果となりました。SLPFAの圧勝、ラージャパクサ家の影響力拡大、そして憲法改正の可能性など、今後のスリランカ政治に大きな影響を与える選挙となりました。

もう一度検索