2020年東京オリンピックの陸上競技・男子20km競歩

2020年東京オリンピック 男子20km競歩

2021年8月5日、北海道札幌市で開催された男子20km競歩は、2020年東京オリンピックにおける注目の競技の一つでした。競歩は1956年のメルボルンオリンピックより導入され、今回で17回目の実施となりました。本競技は決勝のみのレースとなり、過去の優勝者である王鎮が中国代表に選ばれなかったことも話題となりました。

競技の会場は、東京の猛暑への対策として札幌に変更されましたが、レース当日の気温は31.1℃、湿度62%という厳しい条件の中、選手たちは氷入りの帽子や冷却ネックバンドを装着して挑むことになります。午後4時30分にスタートを切ったこのレースには、57人の選手が参加し、大通公園を発着点とする1周1kmのコースで競われました。

レースは早くも2km地点で2019年世界選手権のチャンピオン、山西利和がトップで通過。日本勢の他の選手たちも2秒差で追走しました。競技が進むにつれ、4km地点では中国の王凱華とインドのサンディープ・クマールが先頭集団から抜け出し、この時山西と池田向希は3位の集団にいました。その後、9kmを超えたあたりからクマールがペースを落とし、中間10km地点では王が先頭に立つ一方で、日本の山西と池田らは10秒差の2位集団を形成しました。

12kmを過ぎると、再び2位集団が王に追いつき、16km地点では山西、池田、イタリアのマッシモ・スタノ、スペインのディエゴ・ガルシアとの間で熾烈な先頭争いが繰り広げられました。17kmを超えたあたりで先頭は山西・池田・スタノの3人に絞られますが、18kmを超えると山西が徐々に遅れを取り始めます。19km地点に差し掛かる中、スタノがスパートをかけ、そのままゴールイン。金メダルを獲得しました。池田も続き、銀メダルを獲得。山西は23秒遅れで銅メダルを手にしました。この結果、日本勢がオリンピックのこの競技でメダルを獲得したのは初めての快挙でした。

池田と山西のメダル獲得により、今大会での日本のメダル獲得数は合計43個となり、国としての史上最多を更新しました。

各国のオリンピック委員会は、自国からの参加選手をエントリーする際、参加標準記録をクリアした選手を最大3人まで登録できるというルールがありました。当初の参加標準記録は1時間21分00秒とされており、最終的には43人が出場権を獲得しました。新型コロナウイルスの影響により、選考基準は延長され、2021年6月29日まで選手選考が続けられました。

残念ながら、今大会での新たな記録更新はありませんでしたが、このレースは選手たちにとって非常に意義深いものとなりました。

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