2022年のMotoE

2022年MotoE世界選手権：エネルギカ最後のシーズンと新たな幕開け

2022年のFIMロードレース世界選手権MotoEクラスは、電動バイクによる4年目のシーズンを迎えました。3年目のシーズンとなる2022年は、MotoEのこれまでの歴史において重要な転換期となりました。

マシン供給の交代: これまでのMotoEを支えてきたエネルジカ社は、2022年シーズンをもってマシン供給を終了。2023年シーズンからは、ドゥカティが新たなサプライヤーとしてMotoEに参入します。2022年シーズンは、エネルジカ・エゴ・コルサを全チームが使用するという、エネルギカ時代最後のシーズンとなりました。

チャンピオンの誕生: 2022年シーズンは、ドミニク・エガーターがチャンピオンの栄冠に輝きました。彼の3年目のシーズンでのタイトル獲得は、MotoEの歴史に新たな1ページを刻みました。

ライダーの変動: いくつかのチームでライダーの変更がありました。注目すべきは、マッティア・カサデイのポンス・レーシング40への移籍、エリック・グラナドのLCR E-Teamへの加入、そしてエクトル・ガルソのテック3 E-Racing復帰でしょう。ガルソはMoto2での2シーズンを経て、3年ぶりにMotoEへ戻ってきました。

シーズン中のアクシデントと代役: シーズン中にはいくつかのアクシデントが発生し、代役ライダーが必要となりました。ブラッドリー・スミスはル・マン24時間耐久ロードレースでの負傷により開幕3戦を欠場、ルーカス・トゥロヴィッチとアンドレア・マントヴァーニが代役を務めました。また、シャビエル・カルデルスとジョルディ・トーレスも負傷によりレースを欠場し、それぞれイェライ・ルイス、ウナイ・オラドレ、マッシモ・ロッコリが代役を務めました。

レギュレーションの変更: 2022年シーズンからは、レースウィークエンドのスケジュールと予選方式が変更されました。金曜日に2回のフリー走行と予選を行い、土曜日に決勝レース1、日曜日に決勝レース2という新しいフォーマットが導入されました。また、従来のEポール方式は廃止され、Q1とQ2による予選方式となりました。

グランプリとサーキット: 2022年のMotoE世界選手権は、スペイン、フランス、イタリア、オランダ、オーストリア、サンマリノの6会場で開催されました。当初はフィンランドも予定されていましたが、ホモロゲーション作業の遅れと地政学的リスクを考慮し、中止となりました。フィンランドグランプリは2023年に延期されました。オーストリアグランプリでは、レッドブル・リンクのコースレイアウトが変更され、安全性向上が図られました。MotoGPでの多重クラッシュを踏まえ、高速コーナーにシケインが追加されました。

ポイントシステム: ポイントシステムは、15位までポイントが与えられ、完走が条件となっています。オランダグランプリの決勝レース2は、レース規定を満たさなかったため、ハーフポイントが適用されました。

まとめ: 2022年MotoE世界選手権は、マシン供給元交代という大きな変化と、それに伴う様々な出来事が起こった、記憶に残るシーズンとなりました。エネルギカマシンによる最後のシーズンは、多くのドラマを産み出し、同時に新たな時代への期待を高めました。ドミニク・エガーターのチャンピオン獲得、そしてドゥカティによる新たなマシンの投入により、MotoEの世界は今後さらに発展していくでしょう。

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