2022年那覇市長選挙

2022年10月、沖縄県の県庁所在地である那覇市の新たな市長を選出するための選挙が実施されました。これは、現職の城間幹子氏の4年間の任期満了に伴って執行されたものです。那覇市の将来を託すリーダーを選ぶこの重要な市民による意思表示は、多くの関心を集めました。

この選挙の日程は、2022年10月16日に告示を迎え、一週間の選挙戦を経て、10月23日に投開票が実施されました。なお、この市長選挙と同日には、那覇市議会議員の補欠選挙（定員1名）も同時に行われています。

選挙戦の大きな背景として、まず現職である城間幹子氏が同年5月の時点で次期選挙への不出馬を表明していたことが挙げられます。これにより、今回の市長選挙は新人候補同士の戦いとなることが早い段階で決まりました。市長の座を目指す動きは夏頃から本格化し、当時那覇市の副市長を務めていた知念覚氏が立候補の意向を固めました。一方、これまでの市長を支え、県政でも大きな力を持つ政治勢力「オール沖縄」は、沖縄県議会議員であった翁長雄治氏の擁立を決定し、翁長氏もこれを受けて県議を辞職し、立候補への準備を進めました。

選挙戦に向けた動きの中で、当初立候補を表明したり、検討していたものの、最終的に出馬を取りやめた人物も複数いました。元プロボクシング世界王者の平仲信明氏は一度立候補を表明しましたが後に撤回。元那覇市議会議員の仲松寛氏は、別の候補を支援する形で立候補を見送りました。また、不動産業の山口節生氏も会見で出馬意向を示すも、告示日には届け出を行いませんでした。

今回の那覇市長選挙で特に注目されたのは、現職である城間氏の動向でした。城間氏は、過去の市長選挙で自身を強力に支援してきたオール沖縄が擁立した翁長氏ではなく、自民党や公明党などが支援する知念氏への支持を表明したのです。これは、これまでの那覇市政における政治的な対立軸とは異なる動きであり、選挙の構図を複雑にし、その行方に大きな影響を与える要素となりました。結果として、選挙戦は与党勢力に加え現職の支持を得た知念氏と、野党各党及びオール沖縄が推薦する翁長氏という、異なる政治勢力に支えられた新人同士の一騎打ちとなりました。

迎えた投開票日、市民の選択は知念覚氏に集まりました。開票の結果、知念氏が翁長氏に対して1万票を上回る大差をつけて勝利し、那覇市の新しい市長として初当選を果たしました。

この選挙の最終的な投票率は47.05%でした。これは前回の那覇市長選挙の投票率と比較すると、1.14ポイントの低下となっています。選挙当日時点での有権者数は257,645人でした。

現職市長の引退という転換点で行われたこの選挙は、新人候補同士の戦いとなりましたが、特に現職である城間氏の支持が、これまでの支持勢力から離れて特定の候補に向けられたことが、選挙結果に大きく影響したと言えるでしょう。与党勢力と現職の支持を得た知念氏が勝利を収めたことで、今後の那覇市政は新たな局面を迎えることになります。

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