2023年の航空

2023年の航空

2023年（令和5年）は、世界の航空業界において、安全性に関わる重大な事故や、新たな航空機の登場など、様々な出来事が起こった一年でした。

1月

年が明けて間もない1月1日、フィリピンの航空管制システムに大規模な障害が発生しました。原因は停電に起因する管制施設のトラブルと報じられており、この影響は首都マニラにあるニノイ・アキノ国際空港を中心とする多くの空港に及びました。多数の航空便が運航停止や遅延に見舞われ、その結果、約5万人以上の乗客に影響が出る事態となりました。年末年始の繁忙期と重なったこともあり、世界中のフライトスケジュールに混乱をもたらしました。

翌日の1月2日には、オーストラリア東部の有名な観光地であるゴールドコースト付近で痛ましい事故が発生しました。遊覧飛行とみられるヘリコプター同士が空中で衝突し、機体は墜落。この事故により、搭乗していた4名が尊い命を失い、さらに複数の負傷者が出ました。人気観光地での出来事であったため、大きな衝撃を与えました。

1月15日には、ネパール中部ポカラ近郊で、カトマンズ発のイエティ航空691便（ATR 72-500型機）が墜落しました。この便は、新たに開港したポカラ国際空港への着陸態勢に入っていた午前11時半頃、突如としてバランスを崩し墜落したと見られています。事故現場は渓谷付近で、機体は炎上。この事故により、搭乗していた乗員4名、乗客68名の合わせて72名全員が死亡するという、ネパール国内で近年まれに見る航空惨事となりました。

4月

国内でも航空関連の出来事がありました。4月6日、日本の沖縄県の宮古島沖を飛行していた陸上自衛隊所属の多用途ヘリコプターが消息を絶ちました。捜索活動の結果、機体が海中に墜落したことが確認されました。この事故についても、原因究明に向けた調査が進められています。

5月

明るい話題としては、5月28日、中国が独自に開発を進めてきた大型ジェット旅客機、COMAC C919が、ついに商業運航を開始しました。これは、欧米の航空機メーカーが長年市場を牽引してきた中で、中国が自国の技術で大型旅客機分野に本格参入する姿勢を示すものであり、今後の航空業界における勢力図にも影響を与えうる重要な一歩となりました。

まとめ

2023年は、年初からの航空管制システム障害や各地での複数の墜落・衝突事故など、航空安全に関わる深刻な出来事が相次ぎました。一方で、中国初の大型旅客機が商業運航を開始するなど、新たな技術開発や市場の動きも見られました。これらの出来事は、航空安全への継続的な取り組みの重要性や、世界の航空業界の変動を示唆するものと言えます。

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