21 21 DESIGN SIGHT

21_21 DESIGN SIGHT：デザインの視点から日常を問い直す空間

21_21 DESIGN SIGHT（トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト）は、東京都港区赤坂の東京ミッドタウンに位置する、デザインをテーマとした複合施設です。美術館やミュージアムとは一線を画し、単なる展示施設にとどまらず、デザインを通して日常生活への気づきや提案を行う場として、2007年3月にオープンしました。

コンセプト：デザイン思考の探求と創造

21_21 DESIGN SIGHTは、既存の工業製品を展示するだけの施設とは異なり、デザインを研究し、考察する場所であると同時に、ものづくりの現場でもあります。デザイナー、企業、職人、そしてユーザーという、デザインに関わる様々な立場の人々をつなぐ、デザインの拠点としての役割を担っています。企画展を通して、日々の出来事や物事への新たな視点、発見、そして提案を提示することで、デザイン思考の探求と創造を促進します。

ディレクターと建築設計

施設のディレクターには、世界的デザイナーの三宅一生氏、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏、プロダクトデザイナーの深澤直人氏という、日本を代表する3名が就任しました。さらに、デザインジャーナリストの川上典李子氏がアソシエイトディレクターとして加わり、4名でギャラリーのプログラム企画を担当しています。原則として年3～4回、各ディレクターがテーマを設定し、独自の企画展を開催。展示期間中は、ワークショップや講演会など、多様なプログラムも実施されます。

建築設計は、世界的建築家の安藤忠雄氏が担当。「日本の顔としての建築」をテーマに、日本が誇る建築技術を最大限に活かした建物は、地下階が延床面積の約8割を占め、地上からは想像もつかないスケール感を備えています。特徴的な一枚鉄板の屋根（約54m×約450㎡）は、三宅一生氏のテーマである「一枚の布」と呼応するデザインとなっています。

設立への軌跡：デザインミュージアム構想から実現へ

21_21 DESIGN SIGHTの設立構想は、1988年にニューヨークで行われたイサム・ノグチ展で、安藤忠雄氏、三宅一生氏、イサム・ノグチ氏の3名がデザインのためのミュージアムの必要性について語り合ったことに端を発します。その後、約20年の歳月を経て、2003年に三宅一生氏が朝日新聞に発表した「造ろう デザインミュージアム」という記事がきっかけとなり、三井不動産の賛同を得て、防衛庁跡地の再開発計画の一環として、21_21 DESIGN SIGHTのプロジェクトがスタートしました。

2006年7月に東京ミッドタウンの記者会見で創設が発表され、同年11月にはプレオープンイベントが開催されました。2007年3月30日、東京ミッドタウンと共にオープンし、数々の企画展を開催、デザイン界に大きな影響を与え続けています。2017年には、ギャラリー3が追加され、展示スペースも拡大しました。

名称とロゴ：デザインへの視点を表現

施設名の「21_21 DESIGN SIGHT」は、「20世紀と21世紀を見据え、さらにその先を見通してデザインを発信する場」という願いが込められています。数字の「21」は、世界共通の数字であることから、各国で親しみやすく表記されています。ロゴマークは佐藤卓氏がデザインし、一枚の鉄板から作られるプロダクトをイメージした「プロダクトロゴ」と称されています。人間の目の幅を「21」と「21」の間に設けることで、デザインの視点（DESIGN SIGHT）を象徴的に表現しています。

周辺施設とアクセス

21_21 DESIGN SIGHT周辺には、かつては21_21 Q（21_21 Q FOODS、21_21 Q GOODS）というショップや、CANOVIANO CAFEといった施設がありました。現在では閉鎖されていますが、21_21 DESIGN SIGHTの設計と同様に安藤忠雄氏が設計を手掛けた、特徴的な建築物でした。

アクセスは、東京メトロ日比谷線・千代田線、都営大江戸線六本木駅より徒歩圏内です。東京ミッドタウンに直結しており、非常に便利です。

継続的な発展

21_21 DESIGN SIGHTは、開館以来、数々の企画展を開催し、デザイン界の発展に貢献しています。これからも、デザインを通して社会に問いかけ、創造性を刺激する場として、進化を続けていくでしょう。

もう一度検索