212A型潜水艦

212A型潜水艦の概要

212A型潜水艦は、ドイツによって設計された通常動力型潜水艦であり、エアインデファイナイションプラント（AIP）を装備しています。ここのAIPには、プロトン交換膜（PEM）燃料電池が採用されています。この設計により、潜水艦は数週間にわたって水中に留まることが可能となっており、現代の海軍作戦において重要な役割を果たしています。

運用国

この潜水艦クラスは、ドイツ海軍やイタリア海軍において利用されています。ドイツ海軍では、U-31からU-36までの6隻が運用中であり、イタリア海軍も4隻の212A型潜水艦を就役させています。具体的には、「サルヴァトーレ・トーダロ」、「シレ」、「ピエトロ・ヴェヌーティ」、「ロメオ・ロメイ」の名前が知られています。さらに、2021年2月にはイタリアが増出発注を行い、いくつかの搭載機器は地元の企業、レオナルド S.p.Aによって製造されています。

機動性と技術

この潜水艦は、高度な機動性を確保するためにX舵を採用しており、独自の操縦性能を誇っています。水中での優れた動きと長期潜水能力により、対潜水艦作戦や偵察任務に特化した設計となっています。

ノルウェーとの戦略的パートナーシップ

2017年2月、ドイツ海軍はノルウェー海軍との間に戦略的パートナーシップを結び、ウーラ級潜水艦の後継となる212型の新バージョン、212型NGを4隻取得する方針を決定しました。また、この協定には同規格の艦を2隻購入する計画も含まれています。

ドイツ海軍の運用状況

しかし、2017年10月にはドイツ海軍の唯一の稼働潜水艦、U-35がノルウェー沿岸で座礁し、X舵の一部が破損する事故が発生しました。この事故により、ドイツ海軍に配属されていた全ての潜水艦が運用不能となる状態に陥りました。U-31を工廠に戻すまでの期間、全艦の運用が困難になるとの予測が立てられました。

以下は、各艦の現状です。

• - U-31：2017年12月まで工廠にて修理中
• - U-32：故障中、メンテナンス待ち
• - U-33：2018年2月までメンテナンス中
• - U-34：故障中、メンテナンス待ち
• - U-35：被害状況の調査中
• - U-36：2018年5月までメンテナンス中

2018年4月から5月にかけて、U-31とU-36が運用に復帰しましたが、当面は訓練に専念し、実戦任務への配置は行われないことが決定されています。

まとめ

212A型潜水艦は、その技術的特性や運用国による様々な使用状況により、現代海軍において重要な位置を占めています。今後もさらに進化するこの潜水艦の動向には注目が集まります。

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