21cm Mrs 18

21 cm Mrs 18について

21 cm Mrs 18は、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中に採用した211mm口径の重臼砲である。1939年に制式化され、主に榴弾砲に分類されるが、ドイツ軍では「Mörser」（臼砲）として扱われていた。この砲は、第一次世界大戦での21 cm Mrs 16の後継機として、クルップ社によって設計されたものであり、1918年に生産を開始されたという名称には、ヴェルサイユ条約に基づく新規開発の禁止を回避する狙いがあった。実際には戦間期に製造が続けられ、1942年には新たに設計された17 cm K 18に置き換えられていくこととなる。

概要

21 cm Mrs 18は、ヴェルサイユ条約が定めた規制の影響を受けず、ドイツ軍による再軍備宣言後に大量生産されることとなった。特筆すべきは、この砲が1941年に改造され、旧型の15 cm K 16の砲身を用いた臨時のカノン砲としても運用されたことである。戦局の変化に応じて、野戦用の臼砲から沿岸砲としての役割へとシフトしていった。

特徴

21 cm Mrs 18の最大の特徴は、反動を効果的に抑えるために駐退復座機を二重に配置している点である。この設計により、砲による射撃時の安定性が増し、威力を存分に発揮することが可能であった。また、砲架には旋回板が備え付けられ、重さを考慮して360度の旋回が可能であるという利点があった。ただし、この臼砲の名は便宜上のものであり、実際には榴弾砲としての性質を持っていた。

運用状況

21 cm Mrs 18は第833重砲兵大隊などの重火砲部隊に配備され、様々な作戦で使用された。特に1942年のセヴァストポリ要塞攻囲戦では、要塞の破壊に寄与する活躍を見せた。この砲の口径21 cm弾は高い破壊力を持つ一方、重量があるため運搬の際には砲身と砲架を分割して輸送する必要があり、配置する際も安定した地盤が求められた。また、射撃準備には地盤への設置が厳格に求められたため、なかなかスムーズには行かない運用状況があった。

運搬の困難

特に大口径の砲では、運搬のための専用の牽引車が必要であり、ドイツ軍ではこうした大型砲を牽引できる車両が不足していたため、輸送には多くの労力を要した。また、射撃準備においては砲身と砲架を結合させる作業が必要であり、これには特に高い吊り下げ能力を持つクレーン車が必要となるため、運用の難しさを一層際立たせる要因となった。

自走砲化とその限界

また、Mrs 18はその重量から牽引砲としての運用が難しいことから自走砲化も検討された。戦車車台を利用しての計画が持ち上がるものの、初期段階では実現の目処が立たなかった。最終的にティーガーIを基にした自走砲の計画が立てられたものの、さまざまな障害により実現には至らず、最終的にはティーガーIIを用いたG.W. Tigerが開発されるも試作止まりという結果に終わった。

結論

21 cm Mrs 18は、その大きな破壊力と特殊な運用形態から、第二次世界大戦におけるドイツ軍の火力支援に重要な役割を果たしたが、後により高性能なカノン砲に取って代わられていった。歴史において、この砲の存在は重要なものであり、戦争技術の進化を物語る一つの事例と言える。

もう一度検索