2300アリーナ

2300アリーナ：フィラデルフィアの格闘技史を刻む多目的施設

ペンシルベニア州フィラデルフィアに位置する2300アリーナは、1600人を収容可能な多目的スペースです。現在ではプロレスやボクシングの興行を中心に使用されていますが、その歴史は倉庫として使われていた時代から始まります。長い年月を経て、数々の名称変更や用途変更を繰り返しながら、フィラデルフィアの格闘技シーンを彩る重要な舞台として、今日までその存在感を示し続けています。

倉庫から格闘技の聖地へ：変遷の歴史

1970年代、この施設は倉庫として利用されていました。1986年にはStein & Silverman法律事務所が取得し、その後、サウス・フィラデルフィア・ヴァイキング・クラブという無言劇団体が利用するようになり、「ヴァイキング・ホール」と呼ばれるようになりました。彼らは毎年行われるMummers Paradeのリハーサルや衣装・小道具の保管にこの場所を使用していました。1990年代には、クラブの資金調達のために深夜にビンゴホールとして活用されるなど、多様な用途で利用されていました。

ECWアリーナ時代：プロレスブームの火付け役

1993年、極めて革新的なプロレス団体として知られるECW（Extreme Championship Wrestling）が本拠地として使用を開始したことで、この施設は「ECWアリーナ」として広く知られるようになりました。ECWの週一度のテレビ番組『ハードコアTV』の多くはここで収録され、地元フィラデルフィアの熱狂的なファンとともに、ECWをローカル団体から全国区へと押し上げる大きな要因となりました。1997年には、ECW初のペイパービューイベント『Barely Legal』もこの会場から放送されています。

ECW消滅後：様々な団体が利用

2001年にECWが消滅した後も、多くのプロレス団体が会場を使用しました。2002年には、XPW（Xtreme Pro Wrestling）が独占的にリース契約を結び、「XPWアリーナ」と改称。しかし、XPWが2003年に消滅したことで、リース契約は解除されました。その後、2004年には「ニュー・アルハンブラ・スポーツ＆エンターテインメントセンター」と改称され、後に「アルハンブラ・アリーナ」へと短縮されました。この名称は、かつてこの地域でボクシング興行が行われていたアルハンブラ映画館に由来しています。

この時代には、CHIKARAのプロレススクールや、ECWのメンバーが再集結したHardcore Homecomingイベント、WWEによるECWブランドのハウスショーなども開催され、大きな成功を収めました。2008年には映画『レスラー』の撮影にも使用されています。

2009年以降：名称変更と継続的な利用

2009年には「ジ・アリーナ」と改称され、ROH（Ring of Honor Wrestling）のテレビ番組収録やDRAGON GATE USAのPPV興行などが開催されました。2010年には「アサイラム・アリーナ」と改称され、CHIKARAのPPVや新日本プロレスのアメリカ興行なども行われました。2012年には「アリーナ・オペレーティングLLC」となり、EVOLVEやペレツ・ボクシング・プロモーションズのボクシング興行などが開催されました。

そして2013年、現在の名称である「2300アリーナ」に改称されました。エクストリーム・ライジングやHOH（House of Hardcore）などのプロレス団体も使用し、現在に至ります。

まとめ：フィラデルフィアの格闘技シーンを支える歴史的施設

2300アリーナは、倉庫から始まり、数々の名称変更と用途変更を経て、現在もプロレスやボクシングの興行で使用されている多目的施設です。その歴史は、フィラデルフィアの格闘技シーンと密接に結びついており、多くの団体やイベントを成功に導いてきました。これからも、フィラデルフィアの格闘技文化を支える重要な役割を果たしていくことでしょう。

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