24時間テレビ 愛は地球を救う14

1991年7月27日午後2時から28日午後6時30分まで、日本テレビ系列で放送された第14回『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』は、幾つかの点で例年とは異なる特徴を持っていました。

まず、番組のテーマは『地球はみんなの宇宙船』と設定され、『雲仙・普賢岳災害救援!寝たきりのお年寄りにお風呂カーを!障害者に社会参加を!アジア・アフリカに海外援助を!』という具体的なスローガンが掲げられました。これは、社会問題への意識の高まりと、国際的な視野を持った支援を強く打ち出した点を示しています。

放送時間に関しても、関東地区と一部地域では土曜日の午後2時から日曜日の午後6時30分までの28時間30分間の生放送となりました。これは通常より約1ヶ月早い時期の放送で、8月に開催された世界陸上競技選手権大会・東京大会との日程調整が主な理由でした。土曜日午後5時まではローカルセールスの任意ネット扱いだったため、正式なネットセールス枠は25時間30分という扱い方も存在しました。

さらに、例年全国中央募金会場として使用されていた日本武道館が改修工事中だったため、1979年以来12年ぶりに東京都庁がその役割を担いました。一部コーナーは日本テレビ麹町旧社屋からの放送も行われました。会場変更は、番組の規模や雰囲気に変化をもたらしたと言えるでしょう。

この年の『24時間テレビ』は、視聴率においても大きな転換点となりました。全国ネット放送された25時間半の平均視聴率は6.6%と、過去最低を記録したのです。この結果を受けて、翌1992年の第15回放送からは、長時間マラソン企画やエンターテインメント性の強化など、番組内容の大幅な見直しが行われました。

しかし、低視聴率とは対照的に、雲仙普賢岳の災害義援金への貢献は大きな成果でした。番組を通して寄せられた浄財から、長崎県と被災地の自治体に対して総額1億3338万円が拠出され、災害復旧のための緊急援助資金として活用されました。これは、社会貢献という番組の根幹をなす目的がしっかりと果たされた証と言えるでしょう。

また、この回は、番組開始以来使用されてきたテーマ曲『LOVE SAVES THE EARTH』が最後に使用された放送回でもありました。長年にわたって番組を支えてきた大野雄二氏も、この回をもって降板しました。これらの出来事が、第14回『24時間テレビ』を象徴する出来事として記憶に残っています。

司会は渡辺徹、森口博子、Wズームイン!!プラスひかる、徳光和夫、福留功男、西田ひかるらが務め、アグネス・チャンが総合キャスター、畠田理恵がチャリティーパーソナリティ、宮沢りえがスペシャルパーソナリティとして出演しました。番組を支えたスタッフにも、多くのベテランや著名なクリエイターが名を連ねていました。

この第14回放送は、視聴率という面では低迷しましたが、災害支援という社会貢献、番組テーマ曲や音楽担当者の交代といった節目、そして今後の番組改革への布石という重要な意味を持つ放送回となりました。

もう一度検索