2B9 82mm自動迫撃砲

2B9 82mm自動迫撃砲

2B9（ロシア語: 2Б9 «Василек»）は、ソビエト連邦が1970年代に開発した自動迫撃砲で、口径は82mmです。名前の「Василек」は、ヤグルマギクを意味します。

概要

この迫撃砲は、120mm迫撃砲の代替として生産され、特にその連射能力が特徴です。砲の後部にはクリップ式の装填口があり、まとめられた4発の82mm迫撃砲弾を簡単に装填できます。これにより、短時間で砲弾を一斉に発射可能であり、広範囲を効率的に制圧できます。また、45°以下の仰角を取ることができるため、直接照準での射撃も可能です。

ただし、自動発射のために、給弾装置や駐退復座装置、大きな砲架を必要とするため、相対的に複雑な構造となっています。この点は、一般的な迫撃砲との比較におけるデメリットといえるでしょう。

運用

2B9は、1979年のアフガニスタン戦争でその能力を発揮し、ソ連軍の支援火器として重宝されました。この迫撃砲はムジャーヒディーンにとって脅威でもあり、戦場での重要な役割を果たしました。砲架は二輪と二脚を持ち、標準的にはトラックなどで牽引されますが、アフガニスタンのような条件下ではBMP-1歩兵戦闘車やMT-LB汎用装甲車に搭載され、即席の自走迫撃砲としても利用されていました。

また、チェチェン紛争でもロシア連邦軍によって使用された実績があります。加えて、中国の北方工業公司（ノリンコ）が類似の82mm自動迫撃砲を99式として製造していますが、中国人民解放軍への配備状況は不明です。

仕様

• - 口径：82mm
• - 重量：632kg
• - 仰俯角：-1°から+85°
• - 左右旋回角：60°
• - 射程：標準榴弾で 4,720m

運用国

現時点での運用国には、カザフスタンがあり、2011年時点でも2B9を保有しています。このように、2B9自動迫撃砲はその特異な設計により、戦場における重要な火器として位置づけられています。

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