MT-LB

MT-LB（汎用軽装甲牽引車）

MT-LB（МТ-ЛБ）は、ソビエト連邦において開発された多用途の装軌装甲車両です。この車両は、主に中型火砲の牽引、弾薬や砲員の輸送を目的として設計されています。基盤としてPT-76水陸両用軽戦車やBTR-50水陸両用装軌装甲兵員輸送車のコンポーネントを活用しており、非常に多様な用途で活躍しています。

構造と機能

MT-LBは、最大6,500kgの火砲や車両を牽引する能力を持ち、車内の後部には最大11名の兵員や2,000kgの貨物を収納可能です。そのため、この車両は火砲牽引車としてだけでなく、装甲兵員輸送車としても役立っています。数種類の派生型が開発されており、これには砲撃の際の支援を行うためのバリエーションも含まれています。例えば、BS-3 100mm野砲やT-12 100mm対戦車砲、D-30 122mm榴弾砲など、さまざまな火砲を牽引することができます。

戦闘地域での使用

2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻において、MT-LBは初期から多数投入され、重要な役割を果たしています。オランダの調査会社によると、2023年10月時点で400台以上がその戦いで失われました。また、ロシア軍の兵士たちは装備の不足問題の解決のため、MT-LBをカスタマイズする動きを見せています。具体的には、艦載砲の25mm2M-3艦載機関砲を搭載するなどの例が報告されています。

利用国と保有数

MT-LBは、さまざまな国で採用されており、以下の国々において運用されています：

• - アルメニア
• - アゼルバイジャン – 336両
• - アンゴラ – 31両
• - バングラデシュ – 134両
• - ブルガリア – 100両
• - ベラルーシ – 70両
• - フィンランド – 142両
• - ジョージア – 66両
• - イラク – 約400両
• - クルディスタン地域 – 約120両
• - カザフスタン – 150両
• - モルドバ – 52両
• - ナイジェリア – 67両
• - 北マケドニア – 10両
• - ロシア – 現役で3,300両以上

これに加え、MT-LBは退役国としても多くの国に記録されており、ウクライナやアメリカ合衆国、ハンガリーなどでの運用の歴史があります。

メディアでの登場

MT-LBは映画などのメディアにも登場しています。たとえば、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』では、登場人物たちと戦うアズメニスタン軍の装甲戦闘車両として、機銃手が車体の上で戦うシーンが描かれています。

まとめ

MT-LBはその多機能性から多国で幅広く活用され、現代でもその重要性が高まっています。今後も様々な形で発展していくことが期待されています。

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