2K11

2K11 クルーグについて

2K11 クルーグ（ロシア語: 2К11 Круг）は、ソビエト連邦によって開発された高・中高度地対空ミサイルシステムです。このミサイルは、NATOコードネームSA-4 Ganef（ガネフ、泥棒または悪党という意味）で知られています。

開発と配備

このシステムは1958年に開発が開始され、1957年11月に配備が始まったS-75「ドヴィナ」対空ミサイルシステム（NATOコードネーム：SA-2「ガイドライン」）の後継として位置づけられています。1964年5月にモスクワでの軍事パレードで初めてその存在が公開され、1965年には実際の部隊配備が行われました。

2K11を基にした長射程の艦対空ミサイル、M-31の開発も計画されていましたが、技術的に困難とされ、1126型巡洋艦の計画とともに中止となりました。

運用状況

1990年代以降、ソビエト連邦および他の運用国から2K11クルーグは段階的に退役しています。それでもなお、改良型は2000年代にもいくつかの国で運用されており、ロシアでは実弾標的用に改装されたミサイルが、9M316M Virazhとして訓練弾射撃システムとして使用されています。

構成要素

2K11は以下の主要な装置で構成されています：

• - レーダー及び指揮管制関連

- 1S12 捜索警戒レーダー車
- P-40対空レーダーを搭載し、最大180 kmの距離で監視が可能です。
- 1RL132 高度測定レーダー車
- PRV-9を使用し、発見された目標の高度を測定します。
- 9S44 クラブK-1 指揮管制車
- システム全体の指揮と管制を行うための車両です。

• - 射撃ユニット

- 1S32 ミサイル追尾レーダー/射撃統制車
- 3M8ミサイルの追尾と誘導を担当します。
- 2P24 起倒式自走発射機
- 2基の3M8ミサイルを搭載しています。
- 2T6 予備弾運搬/装填車
- ミサイルの予備弾を運搬し、装填する装置です。

• - 支援車両

- 9T25 予備弾運搬車
- 予備弾を運搬するための装置です。
- 9T31 クレーン車
- ミサイルの移送や保管状態のミサイルを運ぶためのクレーン車です。

その他にも給油車や整備支援車などが含まれ、全体の運用を支えています。ミサイル本体である9M8は、ラムジェットエンジンを利用した大型ミサイルで、最大射程は55 km、高度24,500メートルに達することができます。

応用と展望

当初はソビエト・ロシアに限られた運用国のものでしたが、今や一部の国外勢力にもその技術が伝わり、多国で使用されています。時代による技術の進化は続いていますが、2K11クルーグは、その性能と存在感から未だに注目されているミサイルシステムと言えるでしょう。

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