3.7 cm SK C/30

3.7cm SK C/30 対空砲について

3.7cm SK C/30は、第二次世界大戦中にドイツ海軍が主力として使用した対空砲です。この砲は、ドイツ語で「高速装填砲」を意味する「Schnelladekanone」の頭文字である「SK」と、設計年を示す「C」（Constructionsjahr）に続いて「30」が組み合わさって命名されました。しかし、戦争後期には、より高性能な完全自動式の3.7cm FlaK43へと更新されていきました。

構造と性能

「C/30」は単発式、半自動形式の対空砲であり、1度に1発ずつ装填する方式でした。このため、発射速度は1分間に約30発と、同世代のボフォース 60口径40mm機関砲の80～100発と比較して、著しく低いものでした。「SK C/30U」は、潜水艦用に改造されたモデルです。全ての砲架は、空中目標と水上目標の両方に対応可能でした。

砲架の種類

SK C/30は、複数の砲架に搭載されて使用されました。

Dopp LC/30: これは連装砲架で、2門の砲がそれぞれ小架に搭載されています。この砲架には6名の砲員と追加の給弾員が必要でした。砲の俯仰は手動で行われましたが、船の動揺に対抗するため、最大19.5度までジャイロスタビライザーによる安定化が行われました。ドイツ海軍の魚雷艇や大型艦艇に、少なくとも1基は搭載されていました。
Einheitslafette C/34: 単装形式の砲架で、台座上に砲が据え付けられ、2名の砲員で操作されました。一部の砲架には、8mm厚の防盾が装備されていました。この砲架は、Sボートのような小型艦艇で使用されたほか、港湾の対空防衛を強化するために陸上にも配備されました。
Ubts LC/39: 潜水艦用の砲架で、「SK C/30U」が搭載されました。シンプルな台座に2名の砲員が配置され、1名が肩当てを使って砲を指向し、もう1名がギアで砲の俯仰を調整しました。

弾薬

SK C/30で使用された主な弾薬は、曳光弾でした。

3.7 cm Br Sprgr Patr 40 L/4.1 Lh 37M: 高性能榴弾に焼夷剤を充填したものでした。
3.7 cm Sprgr Patr 40 L/4.1 Lh 37: 焼夷剤を充填していない点を除いて、上記弾薬と同一の構造でした。曳光弾は赤、黄、白の色が利用可能で、弾体に塗られた帯の色で区別されました。弾薬の全備重量は1.78kgでした。

まとめ

3.7cm SK C/30は、その発射速度の遅さにもかかわらず、第二次世界大戦中のドイツ海軍において重要な対空兵器でした。様々な艦艇や潜水艦、そして陸上防衛にも広く使用され、多岐にわたる戦場でその役割を果たしました。しかし、その後の技術進歩により、より高性能な兵器にその座を譲ることになりました。

参考文献

Campbell, John (2002). Naval Weapons of World War Two. London: Conway Maritime Press. ISBN 0-87021-459-4
Gander, Terry; Chamberlain, Peter (1979). Weapons of the Third Reich: An Encyclopedic Survey of All Small Arms, Artillery and Special Weapons of the German Land Forces 1939--1945. New York: Doubleday. ISBN 0-385-15090-3
Hogg, Ian V. (1997). German Artillery of World War Two (2nd corrected ed.). Mechanicsville, PA: Stackpole Books. ISBN 1-85367-480-X

外部リンク

* SK C/30 on navweaps.com

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