354型レーダー

354型レーダーの概要

354型レーダー、もしくは英語でType 354 radar、は中国で開発された2次元レーダーシステムです。その輸出時の名称はMX-902「アイ・シールド」として知られています。このレーダーは、ソビエト連邦によって開発されたフート-Nの改良型と考えられており、その外観はオレンジピール型のパラボラアンテナを特徴としています。

設計と性能

354型レーダーは、安定化されたアンテナ部を持ち、ロール角とピッチ角の両方が制御されるため、優れた追尾能力を誇ります。それにより、4つの目標を同時に追尾することができ、そのうちの2つに対しては射撃を指向する能力も備えています。この特長は、特に海上での戦闘や防空任務において重要な役割を果たします。

歴史的背景と運用

354型レーダーは、中国人民解放軍海軍において1970年代から1980年代にかけて建造された水上戦闘艦に搭載されました。このレーダーは、主に低空での警戒や対水上捜索のための目標捕捉機能を提供しました。具体的には、051型駆逐艦（旅大型）や、053H型フリゲート（江滬I型）から053H1型フリゲート（江滬II型）、さらには053H2型フリゲート（江滬III型）や053H1Q型フリゲート（江滬IV型）に搭載されていました。

1990年代以降の変遷

1990年代に入ると、354型レーダーの新規搭載は減少していきました。これに代わって、053H2G型（江衛I型）以降のフリゲートにはRAN-10Sを基にした360型が、051G型（旅大III型）以降の駆逐艦にはDRBV-15を基にした363S型が搭載されるようになり、結果として354型レーダーは次第にその役割を終えていくことになります。

総括

354型レーダーは、中国海軍の水上戦闘艦における重要な技術として機能し、1970年代から1980年代にかけて多くの艦艇に利用されていました。設計の面でも優れた性能を持ち、後の世代のレーダーシステムに影響を与えたことは間違いありません。関連する他のシステムとしては、アメリカ合衆国のAN/SPS-10や、日本無線のOPS-16/17などが存在し、各国の軍事技術の発展に寄与していたことがうかがえます。

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