36ビット

36ビットとは

36ビットとは、連続した36個のビット（2進数の桁）で構成されるデータ単位です。これは4.5オクテット（1オクテット＝8ビット）に相当し、バイナリ（2進数）で最大68,719,476,736（約68.7ギガ）までの数を表現できます。

36ビットアーキテクチャ

36ビットアーキテクチャとは、整数型、メモリアドレス、その他のデータサイズが最大36ビット幅で処理されるコンピュータの設計方式を指します。

36ビットCPUは、36ビットサイズのレジスタ、アドレスバス、データバスを持つプロセッサ（演算装置）のことです。

歴史的背景

初期のコンピュータ、特に科学技術計算市場向けのマシンでは、36ビットのワード長が広く採用されていました。このワード長は、10進数の10桁を正確に表現することが可能で、これは精密科学や工学計算において標準的な表現でした。

コンピュータが登場する前、電動機械式計算機（Friden、Marchant、Monroeなど）では、10桁の数値表現が一般的でした。これらの計算機では、各桁に対応したキーの列があり、オペレーターは全ての指を使って数値入力を行っていました。

初期のコンピュータは、これらの機械式計算機のライバルとして登場しました。ENIACなどの初期のコンピュータや、IBM 650、IBM 7070などの10進方式のコンピュータも、10桁のワード長を採用していました。

36ビットコンピュータの例

36ビットワードを採用した主なコンピュータには以下のようなものがあります。

MIT リンカーン研究所 TX-2
IBM 701/704/709/7090/7094
UNIVAC 1103/1103A/1105/1100/2200
GE 600
Honeywell 6000
ACOS-6
DEC PDP-6/PDP-10（DECsystem-10/DECSYSTEM-20）
Symbolics 3600シリーズ

より小型のマシンでは18ビットワードが使用され、ダブルワードが36ビットとして扱われることもありました。

PDP-1/PDP-9/PDP-15

また、EDSACは17ビットを「短語」、35ビットを「長語」とするアーキテクチャを採用しており、これと類似した構造を持っていました。

メモリとアドレッシング

これらのコンピュータは、18ビットワードのアドレッシングを使用しており、バイトアドレッシングではありませんでした。36ビットワードを使用することで、2の18乗、約1MBのアドレス空間を持つことができました。これは、多くのコンピュータで当初、物理的なメモリの上限とされていましたが、後にセグメント方式などの技術によって、より広い仮想記憶がサポートされるようになりました。

浮動小数点演算への移行

IBM System/360の発表までには、科学技術計算は浮動小数点演算に移行し、機械式計算機は競争相手ではなくなりました。System/360は、商用計算用に可変長の10進数演算命令を持ち、急速に普及しました。

関連情報

CPU#ビット幅: CPUのビット幅に関する詳細情報
en:UTF-9 and UTF-18: UTF-9およびUTF-18に関する情報
36bit.org: 36ビットコンピュータに関する情報サイト

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