3Dクラシックス

「3Dクラシックス」（スリーディークラシックス）は、任天堂がニンテンドー3DS向けに展開したソフトウェアシリーズの一つです。このシリーズは、かつて多くのゲームファンに親しまれたクラシックゲームを、ニンテンドー3DSの最大の特徴である裸眼での立体視表示に対応させて蘇らせるというコンセプトに基づいて開発されました。

概要と特徴

「3Dクラシックス」で扱われるゲームは、主にファミリーコンピュータなどのゲーム機でリリースされた名作がベースとなっています。単に過去のゲームをそのまま移植するのではなく、ニンテンドー3DSの立体視機能を活かすために、ゲーム画面の描画方法やUI配置などに細やかな調整が加えられています。開発は任天堂と株式会社アリカが共同で担当しました。

立体視による表示に対応させるにあたっては、ゲームの世界が自然に見え、プレイ中に違和感が生じないよう、入念な改変が行われています。画面表示の形式も、オリジナル版のゲームジャンルや構成に合わせて最適化されました。

例えば、横方向にスクロールするゲームでは、ニンテンドー3DSのワイド画面に合わせてゲームが表示される領域が拡大されました。これにより、より広い範囲を一度に視認しながらゲームを進めることが可能になりました。一方、縦方向にスクロールするゲームの場合、ニンテンドー3DSの画面比率に対応するため、ゲーム画面の左右に余白が生じます。この余白部分には、ゲームの世界観に合わせた背景グラフィック（例えば雲など）が追加され、視覚的なバランスが整えられています。

また、多くのタイトルで、ゲーム中に表示されるスコアや残り人数といった重要な情報は、プレイ画面が表示される上画面から、タッチスクリーンである下画面へと移動されました。この変更は、上画面を純粋なゲームプレイに集中できる環境にすることで立体視の効果を際立たせるとともに、情報を整理し見やすく配置することを目的としています。

特筆すべきタイトル

シリーズのラインナップの中で、『3Dクラシックス アーバンチャンピオン』は特徴的な機能を持っています。このタイトルは、「3Dクラシックス」シリーズ内で唯一、ニンテンドー3DS本体を持ち寄って楽しむローカル通信による2人同時プレイに対応しています。オリジナル版にはないこの機能により、友達や家族と手軽に対戦を楽しむことが可能になりました。

ラインナップ

「3Dクラシックス」シリーズとして、2011年から2012年にかけて、以下の6タイトルがニンテンドーeショップを通じてダウンロード販売されました。

2011年6月7日配信：『3Dクラシックス エキサイトバイク』
2011年6月7日配信：『3Dクラシックス ゼビウス』
2011年7月13日配信：『3Dクラシックス アーバンチャンピオン』
2011年8月10日配信：『3Dクラシックス ツインビー』
2012年1月18日配信：『3Dクラシックス 光神話 パルテナの鏡』
2012年4月25日配信：『3Dクラシックス 星のカービィ 夢の泉の物語』

これらのタイトルは、過去に大きな人気を博した作品ばかりであり、「3Dクラシックス」として立体視という新たな魅力を加えて提供されたことで、当時のファンだけでなく新しい世代のプレイヤーにも受け入れられました。

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