41 (航空機)

ソ連の戦闘機計画41と33について

ソ連のミコヤン設計局は、1970年代中盤に戦闘機41（Izdeliye 41）の開発を開始しました。この機体は、アル-31Fターボファンエンジンを一基搭載した小型前線戦闘機として設計されており、1980年代前半にそのプロジェクトは中止されました。その理由は、類似の機体であるMiG-29との比較により、大きな利点が見られなかったためです。

41の設計概要

41は、推力対重量比が1.4とされ、最大速度は2,350 km/h、実用上昇限度は21,500 m、航続距離は戦闘負荷で2,800 kmと、フェリー時には5,000 kmを達成する見込みでした。この機体には、30 mm機関砲のほか、翼下の6つのハードポイントに様々な兵装を装備できる能力があり、最大3,000 kgの爆弾を搭載することが想定されていました。機体形状はMiG-21に似ており、デルタ翼、水平尾翼、垂直尾翼の構成に加えて、主翼前方にはストレーキが設けられていました。

開発は進められましたが、41はMiG-29と比較してコスト効果があるとは言えず、その性能も特に際立っていなかったため、結果的にプロジェクトは頓挫しました。このような状況下で、ミコヤン設計局は新たな機体、軽量戦闘機33（Izdeliye 33）を1981年に提案しました。

33の特徴と目標

33の開発は、空軍のニーズに合わせて進められ、軽量で高機動型の戦闘機として、MiG-21などの先代機を補完することが狙いでした。具体的には、空中戦能力に加え、対地攻撃能力も必要とされ、運用コストを抑えつつ大量生産が可能な機体が求められました。

33もまた、MiG-29と同様のRD-33エンジンを一基搭載し、最初の計画段階では推力8,300 kg、次段階では10,000 kgへと増強される予定でした。通常離陸重量は9,500 kg、最大速度は1,800 km/h、航続距離は増槽なしで2,000 km、増槽ありで3,000 kmで、最大武装搭載量は3,500 kgとされました。

機体設計は、41の基本構造を踏襲しつつ、エアインテークを機体下面に移し、水平尾翼を廃止して小型のカナードを追加するという形で進められました。これにより、最大速度は予想以上に向上し、マッハ1.84に達する見込みでした。

レーダーと技術の進展

33には、「コマール」と呼ばれるレーダーが搭載される計画でした。このレーダーは当初のパラボラ式から、後にフェーズドアレイレーダーに改良されることが予定されていました。「コマール」という名は、ロシア語で蚊を意味し、機体の小型化を意識したネーミングとなっています。

開発の後続と影響

しかし、41と33の開発は、最終的にはペーパープランに終わりました。特に、41はその性能がMiG-29に劣り、空軍関係者の不満を招いてしまいました。その後、これらの研究はLFI計画やMFI計画に引き継がれ、単発の前線戦闘機の設計において参考にされましたが、1990年代初めに経済状況の変化によりこれらの計画も中止される運命にあります。

一方で、41の設計案は逆転の発想で、中国におけるSuper-7計画に応用され、軽量戦闘機FC-1の開発につながりました。これにより、41及びその後継機の研究は無駄ではなかったと言えるでしょう。

まとめ

ミコヤン設計局の41と33は、ソ連空軍に対する期待とニーズを反映した設計プロジェクトでしたが、技術の進展と市場の要求に対する柔軟な対応が求められる中で、結局は具現化には至りませんでした。それでも、これらの研究から得られたノウハウや教訓は、後の航空機開発に影響を与え続けています。

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