5 cm KwK 39

5 cm KwK 39 L/60

5 cm KwK 39 L/60（ドイツ語: 5cm Kampfwagenkanone 39 L/60）は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによって使用される50mmの戦車砲です。この砲は主に1941年から1942年にかけて、III号戦車の主砲として用いられました。

歴史的背景

KwK 39は、牽引砲の5 cm PaK 38をベースに開発されました。この砲は北アフリカ戦線で、イギリスの巡航戦車やアメリカのM3軽戦車に対抗するために使用され、一定の効果を上げました。しかし、ソビエト連邦のT-34やKV-1といった重装甲車両に対しては、その火力が不足していることが明らかでした。このため、KwK 39は他の偵察車両であるプーマなどにも自衛用火器として搭載され、戦場での役割を果たしました。

弾薬について

5 cm KwK 39は、いくつかの種類の弾薬に対応しています。主な弾薬は次の通りです：

• - PzGr (徹甲弾)：攻撃力を高めるために設計された砲弾で、戦車を貫通するためのものです。
• - PzGr. 39 (APCBC)：仮帽付き被帽徹甲弾で、相手の装甲を効果的に貫通することができました。
• - PzGr. 40 (APCR)：硬芯徹甲弾で、特に高い貫通力を誇りました。
• - 5 cm Sprgr.Patr.38 (HE)：榴弾で、装甲車両以外の目標に対して広範囲にダメージを与えることができます。

搭載された車両

5 cm KwK 39は、主に次のような車両に搭載されました：

• - III号戦車 (Sd. Kfz. 141/1) J-M型：この戦車は多くのバリエーションが存在し、J型以前の車両でもKwK 39に換装されたものがあります。
• - Sd. Kfz. 234/2 (プーマ)：偵察車両であり、機動性と火力を兼ね備えていました。これにより、敵の装甲車両に対して効果的に対応することができました。
• - 航空機用のBK 5 機関砲：この機関砲は、航空機に搭載され、対地攻撃や自衛に用いられました。

結論

5 cm KwK 39 L/60は、第二次世界大戦中におけるドイツ陸軍の重要な装備の一つでした。当初は様々な敵に対抗するための武器として機能していましたが、戦局の変化とともにその限界が明らかになり、次第に新しい武器に取って代わられることとなります。それでも、この砲は戦車戦の歴史において重要な位置を占めており、多くの戦車や偵察車両に採用されました。

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