6号機 (パチスロ)

パチスロ6号機：歴史、仕様、そして未来

2018年の規制改正により誕生したパチスロ6号機は、それまでの5号機とは大きく異なる特徴を持つ機種群です。本記事では、6号機の歴史、仕様上の特徴、規制緩和の経緯、そしてスマートパチスロ（スマスロ）の登場までを詳細に解説します。

6号機の誕生と初期の課題

6号機は、2018年10月1日に導入された『HEY!鏡』（大都技研）を皮切りにホールに登場しました。5号機からの主な変更点は、出玉率規制の強化です。短期・長期の出玉率の上限が引き下げられ、新たに1600Gの短中期出玉率が導入されました。これは、5号機末期の高出玉機種への批判を受けての措置と言えるでしょう。

一方で、5号機で問題視された「吸い込み制限の不足」を解消するため、短期・長期の出玉率には下限も設定されました。さらに、ノーマル機のボーナス払い出し枚数は480枚から300枚に減少しました。

5.9号機で導入された有利区間という概念は6号機にも引き継がれ、1回あたりの有利区間は最長1500G（後に最大4000G、スマスロでは無制限）、出玉は最大2400枚（後に差枚数2400枚に変更）という制限が設けられました。

しかし、AT機の開発が可能になり、1Gあたりの純増枚数制限が撤廃されたことや、通常区間と有利区間の滞在比率規制が撤廃されたことで、天井機能が復活しました。この結果、一撃の出玉は制限されるものの、短時間でまとまった出玉を獲得できる機種も登場しました。

6号機初期は、初当たり確率が非常に重く、出玉性能も低かったため、ユーザーやホールからの支持は得られませんでした。

規制緩和と機種の進化

6号機初期の不評を受けて、段階的な規制緩和が行われました。6.1号機では、ペナルティ規制の緩和や演出規制の緩和などを行い、6.5号機では有利区間内の最大獲得枚数が差枚数2400枚に変更されました。これにより、より多くの機種がヒット作となり、ホールとユーザー双方に評価されるようになりました。

しかし、ノーマル機については、出玉率の厳しさやコロナ禍の影響もあり、ホールでの運用は依然として厳しい状況が続いています。

6号機の技術的特徴

6号機では、様々な技術的な工夫が見られます。

高純増AT機と出玉減少区間: 短期出玉率の上限をクリアするために、高純増AT機ではAT中の出玉減少区間が設けられました。また、有利区間開始直後を無抽選区間とする機種も登場しました。
純増変動型AT機: ATの種類によって純増枚数を変化させることで、出玉率規制をクリアする機種です。
低ベースAT機とペナルティボーナス: 長期出玉率の下限規制をクリアするために、低ベースAT機が登場しました。ペナルティボーナスは、出玉率試験対策や吸い込み抑制の役割を果たしましたが、ユーザーやホールに混乱をもたらしました。
設定L: 型式試験対策として、意図的に出玉を抑えた設定が導入されました。ホールでの運用は倫理的な問題を含みます。
* 特殊モード: 出玉試験対策として、設定Lとは別に、有利区間を利用した特殊モードを搭載する機種も登場しました。

スマートパチスロ（スマスロ）の登場

2022年11月21日より登場したスマスロは、メダルレスでプレイ可能な機種です。インターネット接続が必須ですが、メダル不要、機械トラブルの減少、導入コストの削減といったメリットがあります。スマスロは6.5号機扱いとなり、有利区間ゲーム数の上限が撤廃されました。

6号機の今後

6号機は、規制強化と規制緩和、そしてスマスロの登場という変遷を経て、現在も進化を続けています。ユーザーニーズや技術革新を踏まえた機種開発が、今後のパチスロ業界を大きく変えていくと考えられます。

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