61丁目-ウッドサイド駅

ニューヨーク市クイーンズ区のウッドサイド地区にあるこの駅は、地下鉄IRTフラッシング線が運行する重要な停車駅です。具体的には、ウッドサイドの61丁目とルーズベルト・アベニューの交わる場所に位置しています。この駅には、7系統の列車が終日発着し、平日ラッシュアワーの混雑方向には<7>系統の急行列車も停車します。なお、R188型車両の行先表示には「ウッドサイド-61丁目駅」と表示されることもあり、地元の利用者の間では単に「61丁目駅」や「ウッドサイド駅」と呼ばれることもあります。

歴史

当駅の開業は、1917年4月21日にさかのぼります。これは、IRTフラッシング線が当時の終点であったクイーンズボロ・プラザ駅から、現在の103丁目-コロナ・プラザ駅にあたるアルバーティス・アベニュー駅まで延伸された際に、「ウッドサイド駅」として営業を開始したものです。ちなみに、駅の真下に位置するロングアイランド鉄道のウッドサイド駅は、それよりもはるか昔の1869年に開業しています。時代の経過と共に利用者が増加し、1955年から1956年にかけては、列車の編成が長くなったことに対応するため、ホームの有効長を11両編成に対応できるよう延長する工事が実施されました。しかし、設備の老朽化も進行し、1981年にはMTA（メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ）が発表した、地下鉄駅の中で特に設備の劣化が著しい69駅のリストに、当駅も含まれていました。

駅構造

当駅は高架上に設けられており、2面の相対式ホームと3本の線路で構成されています。具体的には、外側に2本の緩行線、中央に1本の急行線が配置された2面3線構造となっています。中央の急行線は、主にラッシュ時に混雑する方面へ向かう<7>系統の運行に用いられます。改札口は、地下鉄ホームとロングアイランド鉄道（LIRR）のホームが位置するレベルの間に設けられています。駅構内にはエレベーターが設置されており、改札階からLIRRおよび地下鉄の全てのホームへと連絡しており、バリアフリーに対応しています。

アートワーク

駅の利用者に安らぎと彩りを提供するため、当駅構内には複数のアート作品が展示されています。主要なものとしては、1986年にジョン・キャバナ氏によって制作され、LIRRのCホームへ通じる階段の近くに設置されている「Commuting/Community」という作品と、1999年にディミトリ・ゲラカリス氏によって制作され、改札口付近で見ることができる「Woodside Continuum」という作品があります。これらの作品は、駅の公共空間に芸術を取り入れる取り組みの一環として設置されました。

出入口とアクセス

この駅からは、周辺地域へのアクセスが可能な出入口が複数設けられています。地上から改札階へ向かう主な経路として、4箇所の階段が設置されています。また、駅の下にあるロングアイランド鉄道のホームを経由することによって、地下鉄駅の直接の出入口とは異なる場所にもアクセスすることが可能です。バリアフリー対応として、ADA（障害を持つアメリカ人法）に準拠したエレベーターが整備されています。具体的には、ルーズベルト・アベニューと61丁目の交差点北東角から改札階へのエレベーターと、改札階から地下鉄およびLIRRの全てのホームへ通じるエレベーターが利用できます。さらに、交差点の南東角からは、改札階へと繋がるエスカレーターも設置されており、利便性が高められています。

ロングアイランド鉄道のウッドサイド駅は地下鉄駅の真下に位置しており、地下鉄駅の改札階からLIRRの3つ全てのホームへ直接アクセスできる構造になっています。これにより、地下鉄とLIRR間の乗り換えが円滑に行えるようになっています。

映画ロケ地として

当駅は、いくつかの著名な映画の撮影場所としても使用されたことがあります。例えば、ジョン・カサヴェテス監督による1980年公開のハードボイルド映画『グロリア』の一部のシーンがここで撮影されました。また、コーエン兄弟が監督した2013年公開のコメディ映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』の撮影にも利用されており、映画を通して駅の姿が多くの人々に知られる機会となりました。

この駅は、クイーンズ区の重要な交通結節点として、また地域コミュニティの一部として機能しています。

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