696MI (パラシュート)

空挺傘696MIについて

696MIは、フランスの航空宇宙機器メーカーであるアエラズール社が開発したパラシュートです。日本では「空挺傘696MI」として、陸上自衛隊に採用されています。このパラシュートは、需品科の装備品として管理され、主に第1空挺団空挺後方支援隊落下傘整備中隊や陸上自衛隊需品学校に配備されています。空挺隊員が航空機から降下する際に使用され、2000年度（平成12年度）に採用されました。通称として「12傘（ひとにいさん）」とも呼ばれています。

特徴

696MIは、従来の60式空挺傘と比較して、装着が容易になり、より重い装備を携行できるようになりました。また、トグル（持ち手）が採用されたことで、降下中の操縦性が大幅に向上しています。トグル操作により、よりダイレクトかつクイックな反応が得られるようになり、風の影響を制御して安全な着地が可能になりました。

しかしながら、操縦性の向上と引き換えに、傘体の開口部が大きくなったため、空中接触時にパラシュートが萎みやすくなり、事故の原因となるリスクも抱えています。そのため、現在は両扉からの連続降下は行われていません。この問題点を克服するために、より安全で迅速な降下を可能にする新型空挺傘の開発が進められました。その結果、2013年度（平成25年度）には、両扉降下が可能な13式空挺傘が採用され、696MIと併用されるようになりました。

諸元・性能

傘体形状: 平面複合楕円
傘体直径: 約11メートル
重量: 約15kg（主傘）、約7kg（予備傘）
開傘時間: 4秒以内
降下速度: 吊下重量約150kgで6.2m/秒以下

製造

アエラズール社（開発元）
藤倉航装（ライセンス生産）

脚注

696MIは、その操縦性の高さから空挺隊員の降下訓練に大きく貢献しています。しかし、開口部の大きさによるリスクも考慮し、より安全な降下のため、新型の13式空挺傘が開発・採用されるに至りました。現在では、両方のパラシュートがそれぞれの特性を活かして運用されています。

外部リンク

空挺傘696MI（陸上自衛隊）
アエラズール社
パラシュート（藤倉航装）

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