空挺後方支援隊

空挺後方支援隊について

空挺後方支援隊（JGSDF Airborne Logistic Support Troop）は、陸上自衛隊の精鋭部隊である第1空挺団に隷属する後方支援部隊です。千葉県船橋市にある習志野駐屯地に拠点を置き、空挺団の作戦遂行を陰で支える重要な役割を担っています。

部隊の概要

正式名称を「第1空挺団後方支援隊」といい、その主な任務は第1空挺団に対する後方支援業務です。しかし、その活動範囲は一般的な後方支援部隊とは異なり、空挺作戦という特殊な環境下での活動に特化している点が大きな特徴です。そのため、部隊の規模や能力も空挺作戦を前提としたものとなっています。また、特殊作戦群の後方支援も担当しており、高度な専門性と柔軟性が求められます。さらに、災害派遣、民生協力、国際貢献活動など、幅広い分野で活躍しています。

沿革

空挺後方支援隊の歴史は、1958年（昭和33年）に落下傘整備中隊が新編されたことに始まります。その後、部隊の再編を経て、2002年（平成14年）3月27日に、管理中隊、落下傘整備中隊、衛生隊、そして輸送小隊が統合され、現在の第1空挺団後方支援隊が習志野駐屯地で編成完結しました。この編成により、空挺作戦に必要な後方支援体制が強化されました。

部隊編成

空挺後方支援隊は、以下の組織で構成されています。

後方支援隊本部：部隊全体の指揮・統制を行います。
補給小隊「空挺団-後支-本」：
3トン半水タンク車：給水活動に使用します。
浄水セット（車載型）：飲料水を確保します。
衛生小隊「空挺団-後支-本」：
1トン半救急車：負傷者の搬送や応急処置を行います。
整備中隊「空挺団-後支-整」：
中隊本部：整備中隊全体の指揮を行います。
車両整備小隊：軽レッカなどの車両の整備を行います。
通信整備小隊：通信機器の整備を行います。
火器整備小隊：小銃などの火器の整備を行います。
落下傘整備中隊：降下作戦に不可欠な落下傘の整備・補給を専門に行います。
中隊本部：落下傘整備中隊全体の指揮を行います。
包装小隊：落下傘の梱包や準備を行います。
投下支援小隊：物資の投下を支援します。
回収小隊：投下された物資や落下傘の回収を行います。

主要装備

空挺後方支援隊は、多様な任務を遂行するために、様々な装備を保有しています。

車両：
1/2tトラック / 73式小型トラック：人員や軽物資の輸送に使用します。
1 1/2tトラック / 73式中型トラック：人員や物資の輸送に使用します。
3 1/2tトラック / 73式大型トラック：重い物資の輸送に使用します。
軽レッカ：故障した車両の牽引や回収に使用します。
3トン半水タンク車: 給水活動に使用します。
1トン半救急車: 負傷者の搬送や応急処置に使用します。
その他：
野外炊具：野外での炊事に使用します。
浄水セット（車載型）：飲料水の確保に使用します。
火器：
89式5.56mm小銃：隊員の個人装備です。
9mm拳銃：隊員の個人装備です。
12.7mm重機関銃M2：陣地防御や対空射撃に使用します。
* 91式携帯地対空誘導弾：低空を飛行する航空機を攻撃するために使用します。

これらの装備は、空挺作戦という特殊な環境下で、迅速かつ確実な後方支援活動を展開するために不可欠なものです。

空挺後方支援隊は、落下傘整備、車両整備、給水、救護など、多岐にわたる業務を通じて、空挺団の活動を力強く支えています。また、災害派遣や国際貢献活動にも積極的に参加し、社会貢献もしています。高度な専門性と献身的な活動は、陸上自衛隊の中でも特筆すべきものであり、日本の平和と安全を守る上でなくてはならない存在です。

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