7 ワールドトレードセンター

7 ワールドトレードセンターの概要



7 ワールドトレードセンター（7 WTC）は、ニューヨークのワールドトレードセンター（WTC）コンプレックスに位置する超高層ビルです。この場所にはかつて別の7 WTCが存在していましたが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で倒壊しました。現在の建物は、その跡地に2006年に再建されたものです。

旧ビル、新ビルともに、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社から土地の賃借権を得たラリー・シルバースタインが開発を手掛けました。

旧7 ワールドトレードセンター



旧7 WTCは、47階建て、高さ約190メートルのビルでした。設計はEmery Roth & Sonsが担当し、赤い花崗岩で覆われたファサードが特徴でした。ビルは台形の敷地に建設され、建設はTishman Realty & Constructionが指揮しました。1984年10月2日に起工式が行われ、1987年5月にWTCで7番目の建物としてオープンしました。

特筆すべきは、1967年に建てられたCon Edison社の2階建て変電所の上に建設された点です。ビルの屋上には、西側に小さな塔屋、東側に大きな機械設備用ペントハウスがありました。最大のテナントはソロモン・ブラザーズで、WTCプラザとは歩道橋で接続されていました。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件と倒壊



2001年9月11日、7 WTCはアメリカ同時多発テロ事件により、隣接する1 WTC（北棟）の崩壊による瓦礫の直撃を受け、深刻な損傷を受けました。瓦礫によってビルの下層階で火災が発生し、午後を通じて燃え続けました。初期消火は試みられましたが、内部の消火設備の水圧が低く、火災を鎮火することができませんでした。

火災の熱により、内部の重要な柱が歪み、周囲の柱にも連鎖的な損傷が生じました。連邦緊急事態管理庁（FEMA）の報告によると、東部夏時間午後5時20分33秒に屋上のペントハウスが崩落し始め、ビル全体が崩壊しました。FEMAは午後5時21分10秒、国立標準技術研究所（NIST）は午後5時20分52秒と、それぞれ崩壊時刻を記録しています。この崩壊による死者は幸いにも発生しませんでした。

倒壊原因の調査



2008年11月、NISTは7 WTCの崩壊に関する最終報告書を発表しました。報告書では、火災が主な原因であると結論付けられました。7 WTCは、航空機が直接衝突したわけではないにも関わらず、火災が原因で倒壊した初の鋼鉄製超高層ビルとなりました。

火災による鉄骨の強度低下に加え、ツインタワーの崩壊による瓦礫の直撃、そして大地震を超える激しい縦揺れが、崩壊を招いたとされています。また、ビルの地下には非常用発電機用の24,000ガロンのディーゼル燃料が貯蔵されていましたが、この燃料は崩壊の直接的な原因ではないと考えられています。

新7 ワールドトレードセンター



新しい7 WTCの建設は2002年に始まり、7億ドルの費用を投じて2006年に完成しました。新WTCの建物の中では最も早く完成した建物です。設計は、1 WTCと同じくスキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル（SOM）のデイヴィッド・チャイルズが担当しました。

新7 WTCは、高さ約226メートル、52階建てです。旧ビルの保険金として8億6100万ドルを受け取ったシルバースタインは、再建費用の一部をLiberty Bondsや保険金で賄いました。建物の構造は、鉄筋コンクリートのコアに、広い階段や太い耐火性の柱など、安全性を考慮した設計となっています。

新しい7 WTCには、ムーディーズやABNアムロ銀行などが入居しています。

出典



  • - Wikipedia

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