7つの黄金郷

7つの黄金郷

『7つの黄金郷』は、山本鈴美香による日本の漫画作品。中世ヨーロッパを舞台に、運命に翻弄される双子の兄弟、エロールとオリビエを中心に、歴史、陰謀、愛憎が複雑に絡み合う壮大な物語が展開されます。

あらすじ

物語は16世紀のイギリス、レッドフォード侯爵家で生まれた双子、エロールとオリビエから始まります。二人は英国王家の血を引く特別な存在として、バチカンやスペインといった大国から次期英国王の候補として狙われる運命にありました。しかし、4歳の時にオリビエが誘拐され、背中に「EL DORADO」の文字を刻まれてしまいます。この文字は、伝説の黄金郷への手がかりを示すものであり、双子は黄金郷を巡る陰謀に巻き込まれていくことになります。

海賊フランシス・ドレークに託され、成長した二人は、母の誘拐事件をきっかけに、黄金郷の謎を追う冒険へと旅立ちます。女王エリザベス1世に謁見後、オリビエにはアーサー・ローレンスが、エロールにはビンセント・ブルーが付き人として与えられ、4人で母の奪還を目指します。しかし、ロレンツォ・デ・クレメンテ公爵もまた、オリビエの持つ「EL DORADO」の暗号に興味を持ち、彼らの行く手を阻みます。

主要な登場人物

エロール・リー・レッドフォード: 双子の兄。妹思いで、冷静沈着な性格。
オリビエ・リー・レッドフォード: 双子の妹。背中に「EL DORADO」の文字を持つ。男勝りな性格だが、繊細な一面も持つ。
アーサー・ローレンス: オリビエの付き人。マンスフィールド家の若き伯爵で、フェンシングの達人。
ビンセント・ブルー: エロールの付き人。「泥棒貴族」と呼ばれるペテン師で、変装の達人。
ロレンツォ・デ・クレメンテ公爵: ローマ法王の寵愛を受ける画家。オリビエの持つ暗号に興味を持つ。

物語の展開

物語は三部構成で展開され、黄金郷の謎、エリザベス女王暗殺計画、そして双子の出生の秘密などが複雑に絡み合います。特に、第二部では、オリビエの裸像が公開される危機や、スコットランドの侵攻計画など、国家規模の陰謀が描かれます。第三部では、紅蜥蜴と呼ばれる謎の暗殺者の正体が明らかになり、物語はクライマックスへと向かいます。

未完の物語

『7つの黄金郷』は、作者の体調不良により未完となっています。しかし、緻密なストーリー構成、魅力的なキャラクター、そして壮大な世界観は、多くの読者を魅了し続けています。特に、第四部となるはずだったネームが公開されており、今後の展開を期待する声が多く寄せられています。

作品の魅力

歴史に基づいた世界観: 16世紀のヨーロッパを舞台に、史実に基づいた事件や人物が登場し、物語に深みを与えています。
魅力的なキャラクター: 双子の主人公をはじめ、個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマが、読者の心を掴みます。
黄金郷の謎: 伝説の黄金郷を巡る謎が、物語全体を彩り、読者の興味を引きつけます。

『7つの黄金郷』は、未完ではありますが、少女漫画の枠を超えた壮大な歴史ファンタジーとして、今もなお多くの読者に愛され続けている作品です。

もう一度検索