7.17成田空港警備隊舎飛翔弾事件

7.17成田空港警備隊舎飛翔弾事件

1986年7月17日、成田国際空港の警備を担当する機動隊の旧宿舎に対して発射された飛翔弾の事案が発生しました。この事件は日本の航空安全や警備体制に影響を与える重要な出来事とされています。

事件の概要

事件は午前4時14分頃、成田空港の敷地にぶつかる形で発生しました。空港の監視塔にいた警備員が、隣接する二期工事用地から発射音とともに炎が上がるのを発見し、即座に成田警察署に通報しました。この時、発射音の直後に車両の走り去る音が続いたとのことです。

警察の捜索活動によって、タイマー付きの金属パイプ製発射筒が3基、またアルミ缶状の弾片が隊舎内および周辺の舗装道路でそれぞれ発見されました。この発射の対象となった隊舎はもはや使用されておらず、当時二期工事に伴いエプロン用地としての利用が計画されていました。

実際のところ、事件そのものによる被害は無く、航空機の運航にも影響を及ぼしませんでしたが、この事態を受けた後の対応が重要なポイントとなったのです。

背景と影響

事件が発生した同日、革労協狭間派は自身の拠点である「現代社」において記者会見を開き、「本戦闘は差し迫る二期本格着工阻止に向けたものである」と主張し、犯行声明を出しました。この声明は二期工事に対する反対運動や、当時の社会情勢に対する強いメッセージと受け取られました。

また、この時期は成田空港の二期工事に対する警備体制の見直しが叫ばれていたことから、事件はより一層の警戒を引き起こしました。千葉県警察本部長は「現行犯逮捕が第一」として、事件後には厳戒態勢を敷くよう指示を出したことが記録されています。

まとめ

7.17成田空港警備隊舎飛翔弾事件は、単なる個別の事件にとどまらず、当時の社会と政治の緊張関係を如実に表しています。この事件を受けての警備体制の見直しは、その後の成田空港の運営と安全対策において重要な教訓を提供しました。成田空港問題や三里塚闘争に対する関心が高まる中、今後もこの事件を巡る議論や研究は続くでしょう。

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