7.5x55mm スイス弾

7.5x55mm スイス弾 (GP 11)

7. 5x55mm スイス弾、またはGP 11として知られる実包は、スイス軍のためにエドゥアルト・ルビン中佐によって開発された弾薬です。ルドルフ・シュミットの設計に基づいた小銃で使用され、非公式には7.5x55mm シュミット・ルビン弾とも呼ばれます。この弾薬は、シュミット・ルビンM1889小銃で使用され、7.5mm口径弾に銅被甲を初めて採用しました。ルビンのGP90 7.5x53.5mm弾は、当時のヨーロッパの軍用小銃の口径が10mmから14mmであったのに対し、革新的なものでした。

7. 5x55mm スイス弾は、わずかに小型の7.5x54mm フランス弾と外観が似ていますが、互換性はありません。

歴史と派生

GP90 および GP90/03 弾

7. 5mm スイス弾は、1889年からスイス軍のシュミット・ルビンM1889小銃に使用されています。当初はPC 88（powder composition-88）と呼ばれる無煙火薬を使用し、ニトロセルロースを主成分とするシングルベースの管状無煙火薬でした。ゲヴェーアパトローネ1890（GP90）とも呼ばれます。
GP90弾は、紙製のパッチを巻いた、鉛製の内部が中空で鋼製キャップ付きのヒールドラウンドノーズ弾丸を使用していました。この紙製パッチは、銃身内の鉛の付着を減らし、弾丸のガスシール効果を高める役割を果たしていました。
GP90弾の雷管は腐食性が高かったため、1903年に改良が加えられ、GP90/03弾となりました。

モデル1889小銃用 GP90/23 弾

シュミット・ルビンM1889小銃の退役後、GP90/03弾は1923年にGP90/23として改修され、射撃競技用に使用されました。GP90/23弾は、完全被甲されたヒールなしのラウンドノーズ弾丸を使用し、PC 88推進薬の形状は方形に変更されました。GP90、GP90/03、GP90/23弾には、合計9種類の派生型が存在します。

GP 11 弾

1911年、スイス軍用小銃の冶金技術とボルト設計が進歩し、より強力な実包をモデル1911小銃やシュミット・ルビン1896/11小銃で使用できるようになりました。7.5mm スイス弾は、完全に非腐食性のゲヴェーアパトローネ1911（GP 11）に改良されました。GP 11弾のボルトスラストは、他の20世紀初頭に採用された軍用実包よりも比較的高くなっています。
GP 11弾は、モデル1911小銃やシュミット・ルビン1896/11小銃だけでなく、MG 11機関銃、K11/K31カービン、SIG SG510バトルライフルでも使用されました。この弾薬は、1990年代初頭までスイス軍の標準的な小銃用として使用され、予備役や競技射撃用としても広く利用されています。また、Pz 87「レオパルト2」戦車やMOWAGイーグル装甲車に搭載されたMG51機関銃用としても、現在も使用されています。
GP 11弾は、ニトロセルロースと30%のニトログリセリンを組み合わせたダブルベースパウダーを推進剤として使用しています。完全被甲のGP 11弾は、重量11.3gで、ボートテール形状の尖鋭弾という革新的な設計を採用しています。弾芯は鉛とアンチモン製で、被甲には圧延鋼またはtombac（黄銅）が使用されています。薬莢は真鍮製（銅72%、亜鉛28%）ですが、1943年から1947年には、材料不足のためアルミニウムまたは鋼製薬莢が使用されました。
GP 11弾は、優れた空力特性と弾道特性を持ち、弾道係数は0.505から0.514です。標準的なGP 11弾の銃口初速は780m/sで、標準的な有効射程は800mです。

GP 11弾は、第一次世界大戦前後に、ドイツ、アメリカ、イギリスなどの国々が同様の完全被甲ボートテール尖鋭弾を開発・配備するきっかけとなりました。これらの国々は、最大射程と長距離性能を向上させるために、完全被甲で底面が平らな尖鋭弾を採用しました。

1911年の導入以来、GP 11弾はいくつかの技術的な改良が加えられています。弾丸の薬莢ネックへの固定は、薬莢圧入溝を追加し、圧着することで改善されました。その結果、引抜力は1911年の30kgfから、1942年の100kgfに向上しました。1942年には、方形のダブルベース推進薬が管状ダブルベース推進薬に置き換えられました。また、弾丸と雷管の密閉にも改良が加えられました。
GP 11弾は、1994年までスイス軍向けに大量生産され、最終ロットはNo. 349-94でした。以前は、ローテンブルクやゾロトゥルンなど、他のスイスの地方自治体でも量産されていました。
GP 11は、高い精度を持つ軍用弾薬として評価されています。スイスの軍用実包の雷管はベルダン方式であり、一度発砲された薬莢は再利用が困難です。
通常の完全被甲GP 11弾に加え、スイス軍向けに特殊な弾丸も製造されています。鋼製弾芯の徹甲弾は底部の紫色で、曳光弾は赤い先端部で識別されます。

GP 11弾には、合計40種類の派生型が存在します。

性能

GP 11弾は、シュミット・ルビンM1889小銃では使用できません。

7. 5x55mm スイス弾 / GP 11（C.I.Pでは「7.5×55スイス」と表記）の薬莢容量は4.22ml（水換算）です。薬莢の外形は、ボルトアクション小銃や機関銃での信頼性の高い給弾と排莢を目的として設計されています。

C.I.P.（国際常設銃器試験委員会）の規定によると、7.5x55mm スイス弾の最大圧力は380MPa（ピエゾ圧）です。C.I.P.加盟国で販売される小銃弾は、C.I.P.圧力の125%で強度試験に合格する必要があります。ただし、スイスはC.I.P.加盟国ではないため、独自の強度試験を実施しています。

民間での使用

7. 5x55mm スイスGP 11弾のボルト前面直径（12.72mm）は一般的ではないため、スイス国外で猟銃や競技用銃に使用されることは稀です。しかし、余剰のK31小銃が民間で入手しやすくなったことから、プリビ・パルチザンやホーナディーなどのメーカーが、GP 11に類似した弾薬を製造しています。また、民間企業では、リロードを容易にするため、ボクサー式の大型小銃雷管を使用する弾薬も製造しています。

推進薬の再充填

7. 5x55mm スイス薬莢は、わずかに直径が大きい7.62mm弾丸（.308口径）を使用できます。これにより、推進薬の手詰めや競技弾、猟銃弾仕様の推進薬の詰め替えが容易になります。ただし、スイスの競技射撃手は、GP 11の精度を信頼して、余剰のGP 11弾を使用することが多いです。

採用銃

シュミット・ルビンM1889
スイス・マンリッヒャーM1893カービン
MG 11
K31
MG 51
SIG SG510
* LUVO Arms LA-11

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