7EAO同盟

7EAO同盟は、ミャンマー国内の政治および軍事情勢において一定の影響力を持つ、複数の民族武装組織によって構成される連合体です。その正式名称は「7EAO同盟」と称され、英語では「7 EAO Alliance」として知られています。この同盟は、ミャンマーの複雑な民族間関係と和平プロセスの中で形成されました。

この同盟が設立されるに至った主要な背景には、ミャンマー政府（主に国軍）との間で締結された全国停戦合意（NCA）に署名した民族武装組織が、共通の目的のために連携を強化しようという動きがありました。具体的には、著名な民族武装組織の指導者であるヨートスック氏が中心となり、NCAに署名済みの7つの主要な組織に対して連携を呼びかけ、これを結集させる形で設立されました。7EAO同盟は、比較的新しい枠組みであり、2024年の3月18日に正式に発足しています。

7EAO同盟に加盟しているのは、以下の7つの民族武装組織です。これらの組織は、それぞれがミャンマーの異なる民族グループや地域を代表しており、長年にわたりそれぞれのコミュニティの権利や自治を求めて活動してきました。そして、いずれもが国の和平プロセスにおける重要な文書である全国停戦合意（NCA）に署名している点が、この同盟の構成上の最大の特徴です。

• - シャン州復興評議会 (RCSS)
• - 新モン州党 (NMSP)
• - アラカン解放党 (ALP)
• - パオ民族解放機構 (PNLO)
• - ラフ民主同盟 (LDU)
• - 民主カレン慈善軍 (DKBA)
• - カレン民族同盟/カレン民族解放軍平和評議会 (KNU/KNLA-PC)

これらの組織が一体となることで、個々の組織では達成し得なかった共通の目標や、より大きな影響力を持つことを目指しています。

7EAO同盟がその活動を通じて達成しようとする目的は、多岐にわたり、ミャンマーの将来像に深く関わるものです。第一に、同盟は真の意味での「フェデラル民主連邦」の樹立を目指しています。これは、中央集権的な統治体制ではなく、各民族がそれぞれの文化や歴史に基づいた自治権を持ち、国家権力が分権化された民主的な連邦制国家を実現しようとするものです。このような国家形態は、長年の民族間対立を乗り越えるための重要な鍵と考えられています。

第二に、7EAO同盟は武力ではなく、「政治的対話」を通じて平和を促進することを重視しています。これは、過去の武力衝突の経験を踏まえ、全ての関係者がテーブルにつき、話し合いによって問題の解決を図るべきだという強い意志の表れです。対話こそが、持続可能で包括的な平和をもたらす唯一の方法であると同盟は考えています。

第三に、同盟はミャンマーの政治的未来や和平プロセスに関わるあらゆる「ステークホルダーとの交渉」に、重要な当事者として積極的に参加することを求めています。これは、自らの立場や、代表する民族グループの利益、そして同盟が目指す国家像について、主体的に発言し、決定プロセスに影響を与えるための当然の権利であると考えています。

最後に、7EAO同盟は、ミャンマーが現在直面している深刻な「国家の政治危機」に対処することも重要な目的の一つとして掲げています。2021年のクーデター以降、国内は混乱と不安定が増しており、人道状況も悪化しています。同盟は、このような危機的状況を克服し、民主的な秩序を取り戻すための努力に貢献したいと考えています。

結論として、2024年3月18日にヨートスック氏によって結成された7EAO同盟は、全国停戦合意に署名した7つの主要な民族武装組織を結集させることで、ミャンマーの和平プロセスと国家建設において新たな動きを生み出そうとしています。フェデラル民主連邦の樹立、政治的対話による平和促進、交渉への積極参加、そして現在の危機への対処といった明確な目標を掲げ、これらの達成を通じてミャンマーのより良い未来を目指しています。その活動は、今後のミャンマー情勢を理解する上で重要な要素となるでしょう。

もう一度検索