7TP

7TP：ポーランドの軽戦車

概要

7TPはポーランドで開発された軽戦車であり、第二次世界大戦中に使用されました。この戦車は、イギリス製のヴィッカース 6トン戦車のライセンス生産型であり、ポーランド独自の改良が施されています。1939年のナチス・ドイツによる侵攻当時、7TPはポーランド軍が装備する中で最も強力な戦車とされていました。

開発と生産

ヴィッカース 6トン戦車は1920年代末にイギリスのヴィッカース・アームストロング社によって開発され、1930年代には多くの国に輸出されました。ポーランドは1931年に50両の購入契約を結び、ライセンス生産権も獲得。その中で、最初に到着した38両は双砲塔タイプで、後に追加購入したパーツで22両が単砲塔のバージョンに改修されました。

ポーランド国内での生産には、試作車輌「VAU-33」を利用して独自の改良が加えられました。最も重要な改良点は、エンジンの変更です。オリジナルのアームストロング・シドレー製空冷エンジンから「PZInż.235」液冷ディーゼルエンジンに切り替えられました。これにより機関室は高くなり、車体の装甲厚も強化されました。その結果、重量は2トン増加し、サスペンションも強化されています。

7TPは1934年に生産が開始され、最初は双砲塔型の戦車が作られましたが、その後、主にボフォース37mm対戦車砲を搭載した単砲塔型のモデルが量産されました。1939年時点では、約130～140両が生産されたとされ、実戦での活躍は限られていました。しかし、この戦車はポーランド侵攻時の重要な戦力として存在していました。

バリエーション

7TP（双砲塔型）

最初の量産型であり、ヴィッカースMk.Eと似た2つの銃塔を持ち、wz.30機銃を2丁装備していました。このモデルは24両が生産され、装甲が若干厚くなり、点検口が設けられるなどの仕様改良が行われました。

7TP（単砲塔型）

主量産型はボフォース37mm戦車砲を搭載し、100両以上が生産されました。このモデルはスウェーデンのボフォース社で設計された砲塔を持ち、量産型では後部にハッチが追加されるなどの改良が施されました。公式には「7TPjw」と呼ばれ、その性能が広く評価されました。

派生型

7TPをベースにした非装甲の重砲牽引車「C7P」も生産され、約150両が製造されました。このモデルは主に重砲の牽引に使用されました。また、76mm戦車砲を搭載した改良型「9TP」が計画されましたが、戦後になって便宜的に使われることとなりました。

登場作品

7TPは多くのメディア作品に登場しています。アニメ『ガールズ&パンツァー』では、ボンプル高校の車両として登場し、双砲塔型と単砲塔型の両方が描かれています。また、ゲーム『World of Tanks』や『トータル・タンク・シミュレーター』にも登場し、ポーランド軽戦車として利用されています。

このように、7TPはポーランドの戦車開発の象徴であり、第二次世界大戦における国防の一環として重要な役割を果たしました。

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